No. 2120 ボーイング社デイブ・カルフーンCEOの2023年の報酬は3280万ドル(約50億円)

Boeing CEO Dave Calhoun was paid $32.8 million in 2023

by Chris Isidore, CNN

 1月にアラスカ航空のボーイング737マックスがドアプラグを紛失した事故を受け、米議事堂で会見するボーイング社のデイブ・カルフーンCEO。 Aaron Schwartz/NurPhoto/Getty Images

ニューヨーク(CNN) – ボーイング社のデイブ・カルフーン最高経営責任者(CEO)は昨年、慢性的な損失と安全性の問題に悩まされている会社を監督しているにもかかわらず、100万ドルを超える給与に加え、巨額の株式ボーナスを支給された。

2023年のカルフーンの報酬総額は3,280万ドル(約50億円)で、2022年の2,260万ドルから45%増となった。そしてもっと多くなる可能性もあったが、彼は年次インセンティブ・ボーナスである280万ドルの受け取りは拒否した。それは。ボーイング737マックスの機体の一部が1月にアラスカ航空の機体側面から吹き飛び、連邦政府による一連の調査、一時的な着陸、経営陣の更迭、そしてまたもや同社にとって恥ずべき広報上の失態が始まったからである。

2023年、経営難に陥っていたボーイングをカルフーンが率いた最初の2年間は業績を改善させた。同社は2019年以降、毎年赤字が続いていたが、その損失を60%削減し、18億ドルのコア営業損失を計上した。同社の株価は1年間で37%上昇し、12月には民間ジェット機の新規受注が記録的な月となり、航空会社が旺盛な旅行需要を満たすために新しいジェット機を熱望していたため、過去最高の売上高を記録した。

しかし、1月5日に発生したドアプラグの破裂事故で機体側面に穴が開いたことでボーイングの安全性と品質に対する評価は史上最低のものになったかもしれない。国家運輸安全委員会(NTSB)による予備調査の結果、この飛行機は事故の2カ月前にボーイングの工場から出荷され、ドアプラグを固定するのに必要な4本のボルトが欠落していたことが判明した。カルフーンは1月に投資家たちに対し、「問題を起こしたのは我々であり、それは理解している。どのような結論が出ようとも、ボーイングは起きたことに対して責任がある」と述べた。

先月、カルフーンは今年末に引退することを発表し、同社は新しいCEO探しを開始した。カルフーンは今月末に67歳になるが、実際ボーイングの取締役会は彼を引き留めるためCEOの定年を5年延長していた。

定年時にカルフーンは巨大な餞別を手にすることになっている。4500万ドル(約69億円)の株式報酬とオプションだ。彼が今年得るかもしれない給与とボーナスに加えてであるが、ボーイングの取締役会は彼の2024年の報酬を大幅に減額し、おそらくCEOとして去るときの会社の状態を理由に2024年の給与とおそらく退職金を大幅に減額したとしても不思議ではない。

ボーイング社からのコメントは得られていない。

カルフーンがCEOに就任したのは2020年1月で、2018年末から2019年初めにかけて346人が死亡する2件の致命的な墜落事故が発生し、737マックスが20カ月にわたって運航停止に追い込まれていた最中だった。その後即座にボーイングと航空業界はパンデミックにより飛行機需要のほぼゼロになるのを経験した。2020年4月、カルフーンは基本給の受け取りを停止した。しかし就任時にすでに受け取っていた株式報酬やその他の報酬により、2020年の報酬総額は2170万ドル(約33億円)となった。その後の2年間は徐々に右肩上がりで、2023年に向けた彼の報酬総額は6,460万ドル(約99億円)に達した。

https://edition.cnn.com/2024/04/05/business/boeing-ceo-pay/index.html