Collapsing Empire: RIP US Aircraft Carriers
Operation Prosperity Guardian(繁栄の守護者作戦)から導き出されるはるかに合理的な結論は、米国の空母は過ぎ去った一極支配時代の時代遅れの遺物であることが証明されたということだ。
by Kit Klarenberg
7月19日付アル・マヤディーヌ英語版の調べによると、ワシントンが当初自画自賛していた「繁栄の守護者作戦」では、米海軍がイエメンのアンサール・アッラーに大敗したことが明らかになった。西洋のメディアは、ついに、米国が神の党に敗北したことを、壮大なダビデ対ゴリアテの勝利として認めたのである。また、抵抗勢力による数か月にわたる執拗な砲撃の末に、大々的に宣伝されていた空母打撃群USSアイゼンハワーが基地に戻ったというニュースは、何十年にもわたって米国の覇権の中核を担ってきた空母が文字通り身水中でお手上げ状態にあることを示している。
ニューヨーク・タイムズ紙は屈辱的な撤退を「戦略的展開の終結」という無難な見出しを付け、一方で英雄的な帰還を称賛した。記事によると、この巨大な船がバージニア州ノーフォーク港に近づいたとき、国家安全保障顧問のジェイク・サリバンが乗った飛行機が甲板に着陸した。サリヴァンは「数千人の」帰還した水兵たち(その全員が家に帰りたがっていた)に演説を行い、同紙はこれを「非常に活気のある『全員集合』」だったと報じた。
「どのように大統領執務室に入って行き、バイデン大統領にアイゼンハワーとその攻撃部隊が、イラン製のあらゆる種類の無人機を撃墜しフーシ派に襲われた水兵を救助したかを伝えたのか」を語り、サリヴァンは海軍の勇気と成功を称えた。「みんな、語りたい話がたくさんある。君たちは守りも攻撃もこなした。誰かが我々に向かってくれば、我々はさらに強くやり返すんだ」と彼は豪語した。
同様の大げさな表現は、タイムズ紙との独占インタビューでサリヴァンが述べた発言にも見られる。彼は、10月7日の直後、ホワイトハウスの国家安全保障チームが断固とした「軍事的な力による動き」が絶対に不可欠であると決定した経緯について、ワシントンは「イスラエルを安心させ、敵対者を抑止するために、米国の防衛力の迅速性、範囲、規模を上回る成果をあげる」ことを目指したと述べた。空母アイゼンハワーの派遣は考えられる限り最も大胆な「軍事力による動き」であったと考えられている。
サリヴァンは、繁栄の守護者作戦の結果に満足であり、USSアイゼンハワーが紅海でアンサール・アッラーと「戦った」ことは、「(空母が)近距離でも依然として効果的に戦えることを示した」と述べた。この評価は、米海軍長官カルロス・デル・トロの意見とも一致する。彼は、空母の有用性の終焉を予言した「批判者たち」をはねつけ、繁栄の守護者作戦は米国の空母否定論者が大きな誤りを犯していることを示す「貴重な教訓」であると主張した。
これは実に奇妙な分析である。繁栄の守護者作戦は、深く恥ずべき大惨事としか思えない。NBCがこの作戦の開始直後に報じたところによると、ホワイトハウスの官僚たちは当初、地中海に空母アイゼンハワーを派遣するだけで「明白なメッセージ」となりイラン、レバノンのヒズボラ、イエメンのアンサール・アッラーがイスラエルを攻撃することを思いとどまるだろうと計算していた。しかし抵抗軍は、集団による反ジェノサイド運動を少しも躊躇しなかった。そして今、旗艦空母は急いで基地に引き返したのだ。
タイムズ紙は控え目に、米海軍による紅海への「戦略的展開」は「明らかに不完全な結果」に終わったと認めている。同紙も認めているように、ガザ地区における21世紀のホロコーストともいえるシオニストの行為は依然として続いおり、「ヒズボラとイスラエルの戦闘はエスカレートする可能性がある」と報じている。また、アンサール・アッラーの封鎖は継続しているだけでなく、運動の指導者が必要と判断すれば、封鎖は拡大する可能性もある。一方で、この失敗に終わった作戦において、安価なアンサール・アッラーの無人機を撃墜するために、それぞれ数百万ドルもする再生産が困難なミサイルが大量に消費されたことを公式の数字が示している。
「繁栄の守護者作戦」から導かれるもっとも合理的な結論は、米国の航空母艦が、もはや過去の、一極支配の時代の名残であることは疑いの余地なく証明されたということだ。ここ数十年にわたって肥大化し、法外な費用をかけた帝国の軍事機構は、報復できない敵を一方的に攻撃することにのみ適しており、現代の戦争の課題に対応できない。それとは対照的に抵抗軍は21世紀の戦いに向けて、容易に革新し、装備を整えてきた。
もしデル・トロとサリヴァンの「繁栄の守護者作戦」の熱烈な推奨が本当に誠実なものなら、あの大失敗から得られた明白で緊急の教訓が明らかに無視されている。不気味なことに、このような無知は2002年7月の「ミレニアム・チャレンジ」によってまさに予見されていた。今日ではほとんど忘れ去られているが、それはペンタゴンがこれまで実施した最も壮大な戦争ゲームの1つである。費用は2億5000万ドル(現在の貨幣価値に換算すると約5億ドル)に上り、実戦演習とコンピューターシミュレーションの両方が実施された。 総勢1万3000人の米軍兵士が参加した。
ミレニアム・チャレンジの模擬戦闘は、米国(「ブルー」)と、狂気的な暴君が率いる架空の西アジア国家(「レッド」)で行われた。この軍事演習では広大な米軍遠征艦隊がペルシャ湾に向かい、「レッド」への侵攻に備えた。 この取り組みは、イランおよび/またはイラクへの「介入」に対する米軍の即応態勢を事前にテストするものとして広く考えられていた。 レッドの指揮官は、退役した海兵隊中将のポール・ヴァン・リパーが務めた。
「ブルー」が奇襲攻撃を仕掛けてくると考え、ヴァン・リパーは先制攻撃を決定した。彼の指揮下にある膨大な数のコンピュータ制御の小型民間船とプロペラ機が、その地域の米軍基地と前進中の遠征軍に対して神風特攻を行い、その一方で、陸上および海上の移動発射地点から巡航ミサイルが船団に発射された。ブルーがレッドの領土に到達する前に、空母と同行の16隻の船が撃沈され、2万人の架空の米兵が死亡した。
2週間にわたるシミュレーションの2日目には、米国は完膚なきまでに敗北した。真珠湾攻撃以上の大惨敗であった。そこで国防総省は、演習を再開し、不正に米国が勝利するためにルールを変更し始めた。「コントロール・グループ」は、ヴァン・リパーに次々と制約を課した。まず、ブルーが敵対勢力の会話を詳細に監視できるように、ミッションの調整と計画には暗号化されていない携帯電話を使用することを軍に強制した。そのためレッドはバイク便や地元のモスクの尖塔から放送される暗号化されたメッセージを使うようになった。
これは、ブルーの侵攻を阻止するためにヴァン・リパーが展開した厄介で型破りな戦術の1つに過ぎず、この戦術は、国防総省が指揮するウォーゲームの審判によって阻止された。その一方でレッドの作戦に対する制約や要求はますます過激になっていった。ヴァン・リパーは自軍の防空システムをオフにし、ブルーの海兵隊と陸軍が空母から急降下する予定の模擬ビーチやその他の地域からレッド軍を移動させ、侵攻を妨げないようにしなければならなかった。課せられた制約はあまりにも過酷で馬鹿げたものとなり、ヴァン・リパーは嫌気がさして辞めてしまった。
ミレニアム・チャレンジは当初、国防総省の幹部たちによって大々的に成功を収めたと喧伝され、米国の空母依存の戦争遂行理論の正当性を証明するものとして喧伝された。そのためヴァン・リパーは恥ずべき内部告発を行い、この取り組みが意図的にでっち上げられた偽りの結果を生み出すために仕組まれた詐欺であることを暴露したのだ。彼は、適切にテストされていない戦略、あるいは敗北が明白な戦略に基づいて米軍が戦場に送られることについて重大な懸念を表明した:
それはコントロール・グループが望むような脚本だった。自由な駆け引きではなく、両者にとってゲームだった。それは、単に脚本通りの演習となった。彼らにはあらかじめ決まった結末があり、その結末に向けて演習が脚本化されていた。このことから学ぶものは何もなかった。真剣に考え、自らを試そうとしない文化は、未来にとって良い兆候ではない。
今日、アンサール・アッラーが米国海軍に勝利したことを踏まえると、ヴァン・リパーの警告は預言者の呪いが現実のものとなったかのように響く。しかし米国のブレーンたちはこの経験から何も学んでいないようだ。米国の慢心に満ちた妄想を嘲笑したくなるかもしれないが、その衰退が現実のものとなった今、私たちは警戒を怠ってはならない。ワシントンが戦争を戦えないからといって、世界に壊滅的な結果をもたらす挑発行為や戦争を仕掛けないというわけではないからだ。
退役軍人のローレンス・ウィルカーソンは2002年から2005年にかけて国務長官コリン・パウエルの参謀長を務めていた際、台湾防衛を理由に米国と中国を対立させる戦争ゲーム演習に数多く参加したと証言している。どのシナリオも、通常数日のうちに核戦争に発展していた。この必然的な結果によって、北京とのいかなる紛争の可能性も打ち消されると期待するかもしれない。しかし、現状をみれば、米軍の最高司令官たちは驚くほど定期的に中国との全面戦争について公然と議論している。神よ、我々を救いたまえ。
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