No. 2493 トランプはプーチン大統領との信頼関係の再構築を目指す最初の大統領だ

President Trump is the first leader who is looking to rebuild trust with President Putin

by Ian Proud

今、プーチンとトランプが踏み出そうとしている信頼への小さな一歩が、永続的なものに発展することを願おう。

欧米の政治家やジャーナリストは、「プーチン大統領は信用できない、どんなことがあってもプーチン大統領と取引すべきではない」としきりに言う。しかしその修辞的な質問に対して、私はいつも「彼は我々を信頼していると思うか?」と尋ねる。

信頼は双方向のものであり、小さなジェスチャーと相互尊重の上に築かれなければならない。そして、文化や言語、世界観などが異なる人々と信頼を築くのはとても複雑なことなのだ。

2014年当時、ロシア大統領府の同僚であり友人でもあった人物は、マイダンとヤヌコビッチの失脚によって失われた信頼を回復するには少なくとも10年はかかるだろうと私に言った。

壊滅的な戦争が3年も続いた今、それにはもっと長い時間がかかるだろう。

ゼレンスキー、ヨーロッパの政治家、主要メディアは、プーチンは信用できないと常に叫んでいる。彼らは何の根拠もなく、プーチンは2014年以来ウクライナで25回(好きな数を選んで)停戦を破ったと主張している。

しかし、プーチンが約束を守ると信じ、また自分たちも約束を守ると信じたことがあるだろうか?

ひとつ確かなことは、ロシアの国家機関の誰もが、NATO東方拡大を含め西側の指導者たちは過去に交わした約束をことごとく破り、キエフでのクーデターを画策したり、ミンスク2協定を失敗させたりと、他の面でも衝撃的なほど不誠実に振る舞ってきたと言うだろう。

戦争が始まって以来、プーチン大統領との対話を拒否し、2014年以来ロシアとの外交的接触を最小限に抑えてきたという問題が、信頼を回復する機会をほとんどゼロにしてしまうのだ。

あなたは嫌いで、二度と話すことを拒否してきた相手をどうやって信頼するのか。6000発の核ミサイルが飛び交う中、小学生が大喧嘩しているようなものだ。

まるで遊び場で初めてXを使う10歳の子供のように、メディアの「私は正しく、あなたは間違っている」というシナリオを自分のものにすることに執着する。

親しい友人や家族全員に、相手がいかにひどいかを話すと、彼らはシビル・フォルティのように「わかるわ」とうなずくのだ。

私は、ロシアが決して信頼できないとか、西側の意思決定者が雪よりも純粋だとは少しも思っていない。信頼とは、取引をし、それを守ることだ。

私はよく、2015年初めにモスクワの冬から逃れるために家族でドバイに休暇に行ったときのことを思い出す。まだ子供が小さかったので、ミニバスのタクシーに荷物、乳母車、チャイルドシートなどを積み込み、朝の雪の中をシェレメチェヴォへ向かった。

空港で私は、2500ルーブルの運賃に対して5000ルーブル札しか持っていないことに気がついた。運転手は私たちの荷物を降ろした後、明らかに急いで暖かいタクシーに戻り家に帰ろうとしていた。

彼は紙幣を一目見て、お釣りがないと言った。

私はターミナルに走って行ってお金を崩してくれる人を探すつもりはまったくなく、幼い子供たち、荷物のトロリー、そして聖人のような忍耐力しか持ち合わせない小柄な妻をナビゲートしていた。

私はタクシーの運転手を見て、運転手も私を見た。

お金を払わないという手もあったが、そうすれば口論になるだろうし、いずれにせよ、私がそんなことをするはずもない。

タクシー運転手なのだから小銭を持っているかどうか確認するよう頼むこともできた。しかし、それは彼の気分を害したかもしれない。なぜなら彼は小銭を持っていないと私に言ったのだから、なぜ彼を信じるべきではないのだろうか?

結局、朝の7時前だったので、おそらく小銭は持っていないだろうし、外はマイナス10度の霜が降りた路肩だったので、彼を信じるしかないと判断した。

そこで私は「5000ルーブル札を受け取ってくれ。私たちの飛行機は、この日のこの時間に戻ってくるから、迎えに来てくれたらチャラになるから」と言った。

彼はうなずき、笑顔もなく私の手を握って姿を消した。

私は彼の電話番号を知ってはいたが、彼がただ姿を消したので、2週間後の帰国時に私たちが空港でまちぼうけとなってもどうすることもできなかった。

だから、出国審査で外交官レーンを通過するときは、彼が到着ロビーにいるのかどうか、一抹の不安があった。

そして、約束した通り、彼は到着ロビーにいた。

私は彼に微笑みかけ、彼も微笑み返してくれた。私たちはミニバスに荷物を積み込み、子供たちをチャイルドシートに座らせ、モスクワの中心部に戻ったのだ。

信頼とは双方向のやりとりである。自分の直感が疑問を投げかけたときは、相手を信頼するリスクを冒さなければならない。

ゼレンスキーは明らかにプーチンを信用していないが、私の観察によれば、彼は平和にも関心がない。彼がプーチンやロシア政府高官との対話を違法としたのは、西側諸国が何があっても彼を支持することを期待し、戦争の継続に投資したのだと私は思う。この2カ月でアメリカの政策が急速に変化したにもかかわらず、ヨーロッパの多くの意思決定者は、何があってもゼレンスキーを支持したいと考えている。これは心配だ。

しかし、ウクライナの平和は、大人たちが再び話し合いを始めて初めて可能になる。それこそが、ドナルド・トランプがこの戦争にもたらした違いなのかもしれない;ロシアと西側諸国との間にある大きな信頼の溝を埋めるために最初の取引を通じて小さな一歩を踏み出し、最終的には、死と破壊を終わらせるのだ。

ドナルド・トランプは1カ月間でウラジーミル・プーチンと4時間話したが、これはバイデンがそれ以前の4年間に話した時間のおそらく4倍である。80年代のレーガンとゴルバチョフが、長期的な利益に焦点を当てるために障壁を取り払ったことに酷似している。

今は、トランプとプーチンだけが大人の会話をしている。彼らが今とっている信頼に向けた小さな一歩が、永続的なものに発展することを願おう。世界はそれを必要としている。それでも、ヨーロッパの指導者たちがトランプ大統領に従う準備ができているかどうかについては、私はまだ懐疑的である。

President Trump is the first leader who is looking to rebuild trust with President Putin