No. 2832 大イスラエルのための戦争

Craig Murray: The War for Greater Israel

欧米諸国全体が国際法の原則を放棄したことから、中国、ロシア、そしてグローバル・サウスが長期的にどのような教訓を学ぶか、今後数十年で明らかになるだろう。

By Craig Murray

イランへの攻撃と指導者の殺害について、国際法上の正当性を装う試みはほとんどなされていない。英国政府の対応は、イランの正当な自衛権行使を非難することにほぼ完全に焦点を当てており、キア・スターマーの不誠実度ははかりきれない。

英国空軍は、イスラエル国防軍に対する監視と後方支援により、2年間にわたりガザでの虐殺に積極的に関与してきた。そして今、再びイスラエルのために戦っている。イランのミサイルを迎撃することは防衛ではない。すでに圧倒的に力差のある敵に対する攻撃に加わっているのだ。

残念ながら、イランが軍事的に自国を守る試みは、多くの反帝国主義者が期待するほどの影響力を持たないだろうというのが真実である。米国政府が軍事および監視技術に費やした驚異的な金額は、現実の世界で確かに効果を発揮している。

ここベネズエラでは、1月3日に米国が主要施設を攻撃した様子を見て、裏切り行為は必要なかったと結論づけた。技術的に格差のある敵に対し、圧倒的な戦力と精密技術が投入されただけだ。敵の重要施設は全て開けた丘の上か、防護されていない兵舎に集中していた。

イランは軍事的にはるかに洗練されているが、指数関数的に増大する戦力に直面している。アヤトラ・アリー・ハメネイは隠れもせず自宅にて殺害された。彼は内部批判者たちに対する統治者としての力よりも、殉教者として遥かに大きな力を発揮するだろう。

我々が直面しているのは、ほぼ全ての西側諸国が従属すしようとしている臆面もない帝国主義の時代だけでなく、ガザで目撃されたような物理的虐待の野蛮さと規模、イスラエルの残虐行為全般、そしてハイレベルな政策手段としての拉致・殺害の行使は中世主義の復活である。敵対国家の指導者の殺害や拉致を正当化することは、当然ながら両刃の剣だ。

ジェノサイド、大量殺戮、医療施設・職員の意図的破壊、児童の大量虐殺、国家元首の拉致・殺害を容認した今、西側諸国が道義的に非難できる残虐行為はほとんど想像もつかない。

2024年8月1日、テヘランで行われたハマス政治指導者イスマイル・ハニーヤの葬儀で、アリ・ハメネイの眼鏡に映ったパレスチナ国旗。(Khamenei.ir / Wikimedia Commons/ CC BY 4.0)

イランの反撃する軍事力は限られているが、この攻撃の影響はそうではないだろう。サウジアラビアや湾岸諸国の支配者は米国とイスラエルの信頼できる属国であるだけでなく、シーア派イスラム教徒に対する原始的な憎悪を煽る者たちという常態に戻ったのだ。

西側諸国は、何世紀にもわたって意図的にシーア派とスンニ派の対立を利用してきた。しかしこれは今後数十年にわたり地域の不安定化を招くだろう。特にイラクは激動し、パキスタンも同様である。バーレーンでは、シーア派住民が、西側が支援する組織的な殺害と拷問を用いるスンニ派支配者によって抑えつけられてきた。バーレーンを拠点としてアヤトラを殺害すれば、必ずや反動が起こるだろう。

我々は、NATO軍のイラク「解放」で清潔な飲料水の65%、病院・診療所の50%、発電量の80%が破壊されたように、イランの民間インフラが破壊される空爆作戦を目撃することになるだろう。目的は、イランを破壊し国家として存続不可能にすることだ。

イランがかつては、それなりの民主主義を備えた西側スタイルの国家であったことを思い出す価値はある。1951年に社会主義者のモハメッド・モサデクが選挙で勝利し、英国石油会社を国有化したことで、1953年にMI6とCIAが支援したクーデターが起こった。彼らの傀儡であるシャーの悪辣で虚栄心にあふれた支配が、神権革命の原因となった。

1965年、イランのアフマダーバードで自宅軟禁中のモハメッド・モサデク元首相。彼は英米によるクーデターで追放された。(ベナム・ファリド / ウィキメディア・コモンズ / パブリックドメイン)

1979年、1984年、1995年、1996年、2010年、2012年、2015年、2018年、2019年、2025年に、米国やEUはイランに対して制裁を強化した。2006年から2016年にかけては国連承認の制裁が課された。これらはイランの経済発展を著しく阻害した。

奇妙なことに、西側諸国の建国の神話では、経済発展は拡大する教養ある中産階級を生み出し、それが経済的・社会的自由主義を促進し、民主主義の条件を整えるとされている。

この解釈によれば、もし権威主義的な政府を権力の座に固定化したいなら、経済発展を制限するのが有効な手段となる。この解釈には一理ある。西側諸国がイランを締め上げようとする執拗な努力(実際に一定の成果を上げた)が、同国の政治的発展を阻害してきたことは疑いない。

とはいえ、イランに関する西側の神話を全て受け入れるわけではない。女性の教育水準は非常に高く、経済・政府機関全体で女性の参加が広範に見られる。イランはユダヤ教コミュニティを含む少数派宗教共同体への寛容さ、さらには支援において極めて良好な実績を持つ。

テヘランには頭巾を被らない女性が大勢いる——この点でイランはサウジアラビアよりはるかに寛容だ。同性愛者への不寛容は残るものの、性同一性障害を認めトランスジェンダーを支援している。

イランを19世紀に逆戻りさせるような爆撃が、その国民の生活を少しでも向上させるという議論に、私は一瞬たりとも賛同する気にはなれない。イラク、アフガニスタン、リビアでそうならなかったように。それは欧州に難民の波を解き放つ災厄であり、極右勢力台頭の直接原因となった。

イランの政権形態が大きく変わる可能性は低いと思う。爆撃による政権転覆は極めて問題のある概念だ。

この行為によりアヤトラ・ハメネイ師が排除されたが、核兵器製造に関する彼のファトワ(宗教令)こそが、イランが核兵器を保有していない唯一の理由だったのだ。

優れた科学基盤を持つイランが、監視対象の濃縮プログラムとは別に、秘密裏に核爆弾を開発できなかったと信じるのは妄想だ。もしそうする意思があればそれは可能だった。この紛争が長期化した場合、中期的にはより原始的で、より退行的で、核武装したイランが生まれる可能性が高い。

2018年にトランプによって破棄されたイラン核合意は、稀な希望の瞬間を提供していた。制裁緩和により、イランでは経済発展の円滑化と改革の可能性が生まれていた。だからこそイスラエルは合意を破棄することを望んだのだ。2016年、ニューヨークの国連本部で行われたイラン核協議に向かう米国代表団(国務省提供)

イランを抹殺する試みは、米国の覇権に対する抵抗勢力を物理的武力で排除しようとする体系的な試みの一環である。

我々はルビオが「帝国主義は肯定的な力だ」という驚くべき主張をするのを目にした。マシュー・リンは『ワシントン・ポスト』紙に新たな西側ドクトリンを体現した。彼は中国の平和的政策を嘲笑し、中国がグローバル・サウス向けにインフラを建設しても無駄だと主張した。なぜなら米国は軍事力でいかなるインフラも接収・封鎖・破壊できるからだ。彼はこれを恥じるべきことではなく、偉大な勝利と見なした。

西側全体が国際法の原則を放棄したことで、中国、ロシア、グローバル・サウスが長期的に何を学ぶかは、今後数十年のうちに明らかになるだろう。いずれにせよ、誰にとっても良い結果にはならない。

これはトランプ現象だけではない。バイデンもガザ虐殺を全面的に支持していた。西側諸国のほぼ全ての主要政党は、主要メディアや代替メディアプラットフォームの所有権と同様に、シオニスト勢力による強固な支配下にある。

イランは直接的・間接的に、大イスラエル建国に対する唯一の軍事的抵抗勢力となっている。この戦争は大イスラエルのためのものだ。しかし同時に、主要資源の軍事的支配を通じて、衰退しつつある米国の経済的優位性を再確立しようとする広範な試みでもある。

その影響から安全な場所は、世界のどこにもないだろう。

https://consortiumnews.com/2026/03/03/craig-murray-the-war-for-greater-israel/