Trump’s Failed Mission to China
Larry C. Johnson
北京での茶番劇は終わりドナルド・トランプと習近平の会談は、見栄えの良い写真撮影や見せかけだけの外交に終始し、実質的な成果は何一つ生み出さなかった。
トランプと習近平の2日間の会談の終わりに共同声明は出されなかった。その代わり我々は両政府の声明に頼らざるを得ない。両声明を精査するとその内容は大きく乖離しており、その相違点は共通点と同様に多くのことを物語っている。双方が議論したと主張する内容を比較すれば、サミットで実際に何が起きたのかが見えてくる。

両国の発表内容の相違は顕著で、それは戦略的に意図されたものだ。以下に、ホワイトハウスが強調した点のうち、中国外務省が完全に省略したか、あるいは極めて曖昧な表現でしか言及しなかった事項を列挙する:
1 イラン情勢と核兵器 — 中国による言及なし
これが最も重大な相違点である。ホワイトハウスの発表では次のように明示されていた:「双方は、エネルギーの自由な流通を支えるため、ホルムズ海峡は開放され続けなければならないことで合意した。習近平国家主席はまた、同海峡の軍事化や利用料徴収の試みに対する中国の反対を明確にし、将来的に同海峡への依存を減らすため、米国の石油をさらに購入することに関心を示した。両国は、イランが核兵器を保有することは決してあってはならないという点で合意した。」PBS https://www.pbs.org/newshour/politics/watch-live-white-house-briefing-with-rubio-may-address-vatican-trip-strait-of-hormuz-efforts
反対に中国の声明はただ単に「双方は中東紛争について協議した」と述べるにとどまり、それ以上の詳細は一切なかった。ホルムズ海峡への言及も、通行料への言及も、イランの核開発計画への言及もなく、これらの問題のいずれについても合意した立場が認められたという記述はなかった。
この差は大きい。ホワイトハウスは、中国が「イランが核兵器を保有してはならない」という点に同意し、イランの通行料制度に反対したと主張している。ホワイトハウスはこれを、中国が公に認められることを明らかに望んでいなかった重要な譲歩として演出している。しかし、情報に精通した信頼できる情報筋によると、習近平は中国がイランに圧力をかけ、ホルムズ海峡の開放を支援するよう求めるトランプの要請をきっぱりと拒否したという。
2 フェンタニル — 中国による言及なし
ホワイトハウスの発表では、双方が「米国へのフェンタニル前駆物質の流入への対処」について協議したと具体的に言及された。これは、フェンタニル製造に使用される化学前駆物質の流入を中国が削減するよう求める、米国による長年の要求である。一方、中国の発表ではフェンタニルについて一切言及されなかった。これは、中国はすでにこの問題に関して十分な措置を講じており、これを二国間問題として位置付けることに抵抗しているという、北京の長年の立場と一致している。
3 農産物の購入 — 中国による言及なし
ホワイトハウスは、両大統領が「中国による米国農産物の購入拡大」について協議したと述べた。一方、中国の発表文は、貿易が「相互に有益」であるという一般的な表現にとどまり、農産物の購入に関する具体的な約束は一切言及しなかった。
4 米国企業の市場アクセス — 全く異なる枠組みで語られた
ホワイトハウスは、会談の焦点を「米国企業の中国市場へのアクセス拡大と、米国産業への中国投資の増加」と位置付けた。一方、中国の発表文はこれを全く異なる枠組みで捉え、米国による市場アクセス要求への対応ではなく、中国が自らの条件に基づき「門戸をさらに広げる」と述べた。
5 ビジネス代表団 — 非対称的な扱い
ホワイトハウスは、「米国最大手企業の多くのトップが会談の一部に参加した」と指摘し、これを実質的な商業的関与として扱った。一方、中国の発表では、トランプが「同行していたビジネスリーダーら一人ひとりに、習近平国家主席に自己紹介するよう求めた」と述べられており、実質的なビジネス協議ではなく、礼儀的な紹介として位置づけられた。
6 台湾 — 問題のミラーイメ―ジ
最も顕著だったのは、台湾問題において両国の発表がまったく反対だったことだ。ホワイトハウスの発表文では台湾について一切言及されなかった。一方中国側は発表文全体を、習近平の台湾に関する警告に集中させた。トランプは自身と習近平が台湾について議論したかどうかという記者の質問に答えることを拒否した。ルビオ国務長官はNBCニュースに対し、米国は「イラン問題について中国の協力を求めていない」と述べた。この発言は、ホワイトハウスの発表文が示唆していたような中国の協力に関する見解を暗に否定するものだ。
結論
両国はトランプと習近平の協議内容を詳述した声明を発表したが、内容が一致したのはごく限られた分野だった。両国の声明が最も大きく食い違ったのは、米国が中国による具体的な約束を主張する一方で中国がこれを認めなかったイラン問題と、中国が明確な警告を発したにもかかわらず米国が言及すらしなかった台湾問題だった。
このパターンは外交上、典型的なものである。双方がそれぞれの国内政治上の必要性に応え、交渉上の立場を有利にするような協議概要を公表したのだ。中国は、習近平が台湾に関して厳しい警告を発している姿を世界に示したかった。一方、ワシントンは、中国が「イランが核兵器を保有することは決して許されない」という点に同意し、イランの制裁体制に反対している姿を世界に示すことを望んでいた。双方が主張する譲歩が現実のものなのか、それとも単なる主張に過ぎないのか――まさにその点が、両者の声明の相違がいかに示唆に富むかを物語っている。
戦略的枠組み
習近平は広範な哲学的枠組みから演説を始めた。「世界中で『百年一遇の変革』が加速しており、国際情勢は流動的かつ激動している」 彼はトランプに対し、直接3つの問いを投げかけた。中国と米国は「トゥキディデスの罠」を乗り越え、大国関係の新たなパラダイムを築くことができるか?我々は共に地球規模の課題に立ち向かい、世界にさらなる安定をもたらすことができるか?我々は二国間関係のために共に明るい未来を築くことができるか?
習近平は、両首脳が「建設的な米中戦略的安定関係の構築という新たなビジョンで合意した」と発表し、それを次のように明確に定義した: 「建設的な戦略的安定とは、協力を主軸とする前向きな安定、適切な範囲内での競争を伴う健全な安定、管理可能な相違を伴う恒常的な安定、そして予測可能な平和を伴う永続的な安定を意味する。」彼は、この枠組みが「今後3年間およびそれ以降の中米関係に戦略的指針を提供する」と述べ、次のように強調した。「建設的な戦略的安定を伴う中米関係の構築は単なるスローガンではない。それは、同じ方向に向けた行動を意味する。」
貿易と経済
習近平は、「米中経済・貿易関係は互恵的かつウィンウィンの性質を持つ。意見の相違や摩擦がある場合、対等な立場で協議を行うことが唯一の正しい選択である」と述べた。同氏は、前日の準備会談において経済・貿易チームが「概ね均衡のとれた前向きな成果を上げた」とし、「中国は門戸をさらに広げるだけだ。米企業は中国の改革開放に深く関わっている」と述べた。
軍事・外交チャネル
習近平は、両国が「政治・外交および軍対軍の分野におけるコミュニケーション・チャネルをより有効に活用する」こと、また「経済・貿易、保健、農業、観光、人的交流、法執行などの分野における交流と協力を拡大する」よう呼びかけた。
台湾 — 共同声明の中で最も厳しい表現
習近平は明確に、次のように述べた。「台湾問題は米中関係における最重要課題である。もしこれが適切に対処されれば、二国間関係は全体として安定を保つだろう。そうでなければ、両国は衝突し、さらには紛争に至り、関係全体を大きな危機に陥れることになる。『台湾独立』と両岸の平和は、水と油のように相容れない。台湾海峡の平和と安定を守ることが、中国と米国の最大の共通点である。米国側は台湾問題の取り扱いにおいて、格段の慎重さを期さなければならない。」
国際問題
共同声明では、両首脳が「中東情勢、ウクライナ危機、朝鮮半島など、主要な国際的・地域的問題について意見を交換した」と記されているが、中国の公式テキストではこれらのいずれのトピックについても、それ以上の詳細は示されていない。
APECとG20
両首脳は、今年開催されるAPEC経済リーダーズ会議およびG20サミットの成功に向け、相互に支援することを合意した。
王毅外相の総括 — 5月15日
王毅外相は国営メディアに対し、「今回の会談は、両国首脳が深く意見交換を行い、実質的な成果を上げた重要な会談であった」と述べ、これを「歴史的な会談」と評した。特に貿易・経済問題における進展を強調した。中国外務省はまた、ドナルド・トランプ大統領の要請を受け、習近平国家主席が今秋に米国を訪問することを確認した。
イランに関しては、中国とロシアがパキスタンを前面に立てて水面下で動き、ペルシャ湾に新たな安全保障体制を構築しようとしている。現在の取り組みは、サウジアラビアとカタールに対し、米国との軍事関係を事実上断ち切り、ロシアと中国が保証する戦略的合意を結ぶよう説得することにある。もしサウジアラビアとカタールが、イランに対する新たな一連の攻撃のために自国の基地や空域の使用を米国に禁じる姿勢を貫くならば、米国は計画されていた攻撃を中止せざるを得なくなるかもしれない。
レイ・マクガバン氏とナポリターノ判事との恒例の金曜日の対談を行った:https://www.youtube.com/watch?v=u4JqT8QCmTc&t=1s
ローレンス・ウィルカーソン大佐、ニマ氏と共にトランプ大統領の中国訪問の失望すべき結果について議論した:https://www.youtube.com/watch?v=gBADeqy_nKg
ジミー・ドア氏とイランとの戦争および中国におけるトランプ大統領の失敗した外交について議論した:https://www.youtube.com/watch?v=8NXbjFvEbuM&t=2s