America Wanted Submission, China Offered Parity
「トランプの中国訪問の失敗は我々が考えていた以上に深刻だ」、『Geopolitical Economist』、2026年5月15日。
Michael Hudson
ハドソンの考えを要約すれば、米国は中国を憎んでいる。社会主義を憎んでいる。政府を廃止して中央計画を銀行システムや金融システムに委ねて世界を支配する体制にしない中国を憎んでいる。これがすべてだ。米国にとって、中国の成功は存亡の危機である。なぜなら、それは米国経済や西側諸国の経済を組織する我々のやり方が失敗であることを示しているからだ。1945年以降の経済成長は、今やその債務の限界、財政的限界に達した。中国は、必ずしもそうである必要はないことを示した。別の道がある。それは、政府が、銀行・金融システムや信用システムを含む基本的ニーズを、公共の目的のための公共公益事業として捉えることだ。その公共の目的とは、単に富の成長を1%の富裕層に集中させるのではなく、全体的な生活水準の引き上げや、目に見える経済成長を実現することである。
ラディカ・デサイ:本日のテーマは「北京のトランプ」だ。数時間前、トランプは戦争によって延期されていた北京訪問を終えた。彼はイランに簡単に勝利して凱旋の形で北京を訪れることを望んでいた。しかし、中東における史上最大の泥沼に足を取られ、訪問を延期せざるを得なかった。そして実際に北京へ向かった際、彼は絶望的な気持ちで現地を訪れた。もはや戦争も泥沼も起こさないと約束しておきながら自ら招いた泥沼から抜け出すため、自らが引き起こした混乱を片付ける手助けを中国に求めたのだ。より長期的な視点で見れば、トランプは昨年、関税によって中国を屈服させようと考えていた。しかし、中国が反撃した結果、彼が成し遂げたのは、自らを従属的な立場に追い込むことだけだったようだ。
結局のところトランプの、「 習近平国家主席がいかに偉大な指導者であるか、トランプが中国の誰とでもうまくやっていけるか、米国と中国が共に素晴らしい未来を築いていく」といった発言の口調そのものが、米国の力、そしてトランプ自身の権力を誇示するという壮大な計画にもかかわらず、中国との対等な関係をトランプが認めざるを得なかったことを示している。それはまさに中国が望んでいたことだ。ではトランプは一体何を成し遂げたのだろうか?会談は中国側が主導したのだが、中国は何を望み、何を得たのか。関税、投資、ホルムズ海峡、台湾、イラン核問題といった主要な課題において、どちらが譲歩したのか。今回の訪問は、21世紀を形作ってきた米中対立の構図をどのように再構築するのだろうか。同行したCEOたちは、望むものを手に入れられるのか。イランとの対立は今後どうなるのか?何よりも、トランプ政権が、就任どころか選挙直後から何らかの形で混沌に陥っているこの世界は今後どうなるのか?これらすべてについて議論するために、当番組の常連中の常連であるマイケル・ハドソン教授をお迎えしている。マイケル、どこからでも構わないから、まず話してほしい。北京でのトランプに何が起きたと思う?
マイケル・ハドソン:分からない。トランプと外国首脳との会談には、常に二つのバージョンがある。米国とトランプはいつも報道陣に、外国首脳はトランプの要求したすべてに同意した、と言う。素晴らしい合意だった。米国が大勝した。我々はすべてを手に入れた。そして、外国の指導者たちからはいつも「我々はそんなことは言っていない」という声明が出る。彼らは非常に簡潔な報告をするだけで、たいていは「我々が議論したトピックはこれだ」と言うだけで実際に何が起きたかについて再確認はない。
例えば、彼らが話し合ったと述べた事項の一つにホルムズ海峡の開放があった。トランプはこう言った。
「習近平主席と私は、ホルムズ海峡を開放すべきだと合意した」
それはどういう意味なのか? もちろん開いている。すでに開いているのだ。中国はすでにホルムズ海峡を船で通過しており、イランが課している関税を支払っている。トランプの報告では、彼らがすべてに合意したとされていた。我々は、イランがそこに一切関与してはならないという点で合意した。彼らはこうした関税を課すことはできない。まったく違っている。そんなのもではなかった。
トランプは、中国がボーイング機200機と大豆の購入に合意したと言った。言い換えるとトランプが彼らに航空機の購入を求め、大豆の購入を求めたということだ。だが価格はいくらになるのか? 国内外で肥料不足や作柄不振により大豆価格が上昇する中で、価格はスポット価格だろうか? 中国が合意するのは、現在の価格か、あるいは米国がイランとの戦争に突入し、価格上昇分の全額を課す前の価格のいずれかに合意する場合に限られると思う。専門家たちが集まっても、細かい条件については全く合意に至らないだろう。
また、ボーイング機についてだが、1週間ほど前に、中国が欧州から発注したエアバス機に問題があることが判明した。エアバスは、コンピュータシステムの更新提供を拒否することで、いつでも中国の全機を運航停止に追い込むことができる。彼らには「電源を切るスイッチ」があるのだ。このような「電源を切るスイッチ」がないことを確実にしない限り、中国がボーイング機を購入するとは考えにくい。これらはすべて、解決するのに数週間、しばしば数ヶ月を要する詳細事項だ。中国側との事前の準備も、議論もなかった。つまり、実際には会談から何のニュースも出ていないということだ。
今朝、起きたことといえば、株式市場が大幅に上昇したということだけだ。それで私は「うーん……」と思った。ああ、いや。実は株式市場は下落している。彼らは気づいているんだと思う――私の最初の考えは、「ああ、合意がないことに気づいたんだ」というものだった。だが実際には、彼らは原油価格が大幅に上昇すること、解決の糸口が見えないこと、そしてホルムズ海峡を通る石油貿易を妨げ続けているのは米国だということを悟っている。だって、ホルムズ海峡を通る石油貿易って、一体どういう意味か?海は広大だ。ホルムズ海峡を出れば、インド洋を通る。そしてそこには、船を阻止し、引き返させ、通過を許さない米海軍が全軍展開しているのだ。
イランはこう言った。「オーケー。米国には船が数隻しかない。我々はタンカーを大量に送り込む」と。実際に通過する船も多いが、ホルムズ海峡を封鎖しているのはイランではなく米国だと全世界が知っている。もちろん、米国がそれを認めるはずがない。トランプの発表や、いかなる米国の発表も、結局はトランプの有権者に向けたプレスリリースに過ぎず、世界の他の地域で起きていることとは何の関係もないのだ。
ラディカ・デサイ:その通りだ。米国はホルムズ海峡を封鎖していると言っているが、実際にはそれほど効果的ではない。なぜなら、例えば中国は依然としてそこから相当量の石油を輸入し続けている。そしてもちろん、この状況が長引けば長引くほど、中国は他の手段を通じてイランやその他の地域から石油を輸入し続けることができるだろう。
皮肉なことに、現在の貿易関係の構造は海路に大きく依存している。これは、帝国主義が海路の上に築かれたからだ。一方で中国やロシア、その他の国々が提案しているより協力的な新たな関係は、パイプラインや鉄道のように陸上の接続や陸上輸送回廊に基づいて構築されることになるだろう。これは実に興味深い。私にとって、最も重要な点は、あなたが正しく指摘したように、トランプは多くの点で失敗したが、彼が失敗した最も重要な点は、トランプが陥っている泥沼には解決策がないということだ。
あなたは本当に良い指摘をした。私からもいくつか付け加えさせてほしい。私にとって、トランプが今回達成したこと、あるいはむしろ達成できなかったことからの大きな教訓は、彼が現地を訪れた時点で、当初の計画時と実際の訪問時の状況が完全に変わっていたということだ。なぜなら昨年秋に初めて中国訪問の招待を受け入れてから、3月上旬に実際に訪問しようとしたまでの間、彼はイランとの対立の真っ只中にあった。その対立は彼が予想したように週末で終わることはなく、彼は抜け出す道を見出せていない状況にますます深くはまっていった。彼には出口が見当たらない。要するに、トランプは本来なら勝利を収めた形で中国を訪れるつもりだったのに、実際にははるかに弱体化した立場で向かうことになったのだ。
さらに、新たな状況下でトランプが望んでいたことの一つ、つまり主要な議題の一つは、中国側にホルムズ海峡の実質的な開放に同意させることだった。しかし、あなたが指摘したように、彼はこう言った。「そう、習近平主席もホルムズ海峡の開放を望んでいる。私もホルムズ海峡の開放を望んでいる。だから我々は合意している」と述べた。だがもちろん肝心なのは細部だ。習近平国家主席はイランがホルムズ海峡を支配する権利を支持している。したがって習近平が言う「ホルムズ海峡の開放」とは、米国がイランへの攻撃を止め、米国の封鎖を解除することなどを意味する。この点に関してトランプは何の成果もない。
そして、私にとってもう一つの大きな気づきは、トランプがこの件について実際に何を語ったかをよく見てみると、本来は米国の力、そして「アメリカを再び偉大にする」というトランプ自身の権力を誇示する意図で現地を訪れたにもかかわらず、実際にははるかに弱体化した立場で帰国したということだ。なぜなら、北京で起きたことは、本質的に、今日の米国は中国と対等であるべきだという考えを浮き彫りにしたからだ。米国は中国の優位に立つ存在ではない。中国に指図することはできない。実際、トランプ自身もそのような言葉を使わざるを得なかった。彼はこう言った:「習近平主席は偉大な指導者だ。中国は偉大な国であり、米国と中国は共に素晴らしい未来を築いていく」私もそう思っているし、またこの会談から出た他の二つのフレーズも非常に重要だと感じている。それは中国が望むものを手に入れ、米国は望むものを手に入れられなかったことを示している。つまり二つのフレーズとは、本質的に、米国と中国の間には主要国間の関係における新たなパラダイムが生まれるだろうということ、そして二つ目は、安定に向けた新たな建設的な戦略が打ち出されるだろうということだ。これら両方が意味するのは、中国が望むものを手に入れたということだ。
中国は、世界の新たな極として米国に取って代わろうとしたことは一度もない。一極支配は、米国の場合でさえ、現実にはなかった。つまり中国は、我々が多極世界に住んでいることを認識しているが、同時に、米国と同様に自国もこの多極世界における主要な大国の一つであることを理解しており、実質的に米国を対等なレベルにまで引き下げたのだ。米中間のあらゆる主要な首脳会談には意味があったが、私から見れば、今回の首脳会談もまさにその意味を持っていたように思える。
マイケル・ハドソン:同感だ。さて、それについてコメントしよう。トランプが言及した点の一つは、議論の冒頭で習近平が「トゥキディデスの罠」と呼んだものについてだった。これは米国のネオコンが作り上げた幻想であり、あなたが今指摘したように、単に「中国は本当に米国に代わって世界一の勢力となり、他国を支配したいと考えているのか?」と言わんばかりに見せかけるためのものだ。あなたの指摘は正しい。中国にそのような意図はない。中国は、「どうすれば米国に取って代わり、要衝を掌握して他国を従属させられるか」といったことは考えていない。
中国は、他国、とりわけ「一帯一路」イニシアティブとの間で、互いに利益をもたらす貿易・投資関係を築く唯一の方法は、相互利益にあると理解している。これは、習近平や中国の外相たちが繰り返し述べてきたことだ。したがって、トランプが語るような「対立」という意味において、中国と米国の間に真の対立は全く存在しない。その対立関係は、すべてトランプ自身の頭の中にある投影に過ぎず、習近平が自分と同じような人物だと想像しているにすぎない。実際には大きな違いがあるのだが。
米国の金融資本主義と、中国の社会主義的な産業成長政策はライバル関係にある。それは異なるシステムだ。この対立は、あなたと私がこの1年間話し合ってきたように、経済システム間の対立である。金融資本システムは米国を中心に形成され、本質的には、軍事的意味での帝国主義や新植民地主義、武力、強制、脅威では達成できないことを、金融的搾取によって達成する手段となっている。そして本質的に、米国は世界の石油貿易を支配することに加え、金融システム、すなわちドル化を支配しようとしている。そうすることで、ドルシステムを貿易や投資の手段として利用し、世界の余剰をすべて米国へと吸い上げようとしている。
例えば、米国とその同盟国であるアラブ首長国連邦(UAE)は、UAEに預けられていたイランの貯蓄、おそらく3,000億ドル相当を没収したばかりだ。トランプが中国を訪問する前日、彼は中国の銀行に対して一連の制裁を発動し、「イランからの支払いを受け入れる中国の銀行は、我々がボイコットし、システムから排除し、破産に追い込む」と述べた。トランプに「お前たちを潰してやる」と言われずに、イランが中国に販売した石油の代金を受け取るなど、一体どうすれば可能なのか。
トランプの立場を要約すれば、アメリカは中国を憎んでいる。社会主義を憎んでいる。政府を廃止せず、世界支配のための中央計画を銀行システムや金融システムに委ねない体制を憎んでいる。これがすべてであり、もちろん、これこそが我々が目撃した会談の口には出されない真の背景だ。つまり、アメリカが嫉妬しているのは、通貨発行と金融を用いて有形の資本形成を実際に資金調達するという中国の政策の成功ではない。そこには巨大な不動産バブルも含まれていたが、少なくともそれは実体のあるもので、株式や債券、その他の金融商品の価格を吊り上げて金融資産を生み出すようなものではなかった。
そしてアメリカにとって、中国の成功は存亡に関わる脅威なのだ。なぜなら、それはアメリカ経済や西側諸国の経済を組織する我々のやり方が失敗であることを示しているからだ。1945年以降の経済成長は、今やその債務の限界、金融の限界に達した。中国は、必ずしもそうである必要はないことを示した。別の道がある。それは、政府が銀行・金融システムや信用システムを含む基本的なニーズを、公共事業として位置づけることだ。その目的は、生活水準の全体的な向上や有形の経済成長であり、富の増大を1%の金融エリート層の手に集中させることではない。これこそが、この問題の核心なのだ。
ラディカ・デサイ:そして金融問題について言えば、率直に言って、トランプは好きなだけ制裁を課すことができる。しかし、私が読んでいる情報によると、イランと中国の間の石油取引は、ロシアと中国の間のより大規模なエネルギー取引と同様に、今や人民元(またはレンミンビ、呼び方は何であれ)で行われており、支払いの管理も、米国や西側が支配するSWIFTシステムやその類の仕組みの外で行われている。中国には独自のCIPSシステムがあり、それを用いて決済を処理している。だからトランプはいくら威嚇しようとも、中国の家を吹き飛ばすことはできないのだ。
そしてあなたの話を聞いて思い出したが、我々が目の当たりにしているのは、資本主義と帝国主義の双方の終焉における新たな章の幕開けに他ならない。なぜなら本質的に、今起きているのは米国の権力が我々の目の前で崩壊しつつあるということだからだ。中国の経済的成功は、本質的に中国にはるかに大きな持続力と回復力を与えている。一方、米国は言うまでもなく衰退しつつある資本主義国家であり、経済的にも軍事的にも、実際には中国に対して自らの意志を押し付けることはできない。ましてや中国どころか、イランに対してさえ意志を貫くことなどできないのだ。そうであるならば、本質的にこれは行き詰まりだ。
真の状況は、これから何が起こるかにかかっている。例えばトランプは、イランに対するこの戦争を続けるという無謀な試みを続けるつもりなのか。正直なところ、もし彼が損切りをするなら、これはすべて間違いだったなどと述べて撤退し、戦争を止め、新たな現実を受け入れるべきだ。その現実とは、彼自身の妄想的な戦争のおかげで、ホルムズ海峡の支配権は失われ、一方でイランはウラン濃縮の権利などを保持し続けているということだ。しかしトランプがこれに抵抗すればするほど、世界経済の危機は長期化し、深刻化するだろう。そしてこの世界経済の危機において、当然ながら中国が優位に立つ。なぜなら中国は、米国よりもはるかに高い回復力と、世界に対する独立性を備えているからだ。
マイケル・ハドソン:その通りだ。トランプは現実を受け入れられない。それは降伏を意味するからだ。そして、米国がイランでの戦争に敗北した――つまり、石油を掌握するための政権交代という目的を達成できなかったという意味で――という現実的な記述が報道されるたび、トランプは自身の投稿でそれを「反逆」だと非難している。
だから、非現実的な批判から現実へと目を向けるなら、本当の問いは、あなたと私がこの1年間話し合ってきた話題に戻ることだろう。つまり、イラン産原油や支払いを受け取る中国の銀行や小規模精製業者に対する米国の制裁を阻止するために、中国や他の国々は何をすべきか、ということだ。世界は、貿易や投資において金融混乱を引き起こす米国の力からいかにして自らを解放できるのか。彼らはどのようにして、ドルから自立するための決済手段や投資手段を自ら確立すればよいのか。言い換えれば、トランプは他国の銀行を孤立させようとしている。大多数の国々は、どのようにして貿易のあり方を転換し、「いや、我々は団結して行動する。我々の任務は、米国が我々の内政や主権に干渉する能力を断ち切ることだ」と宣言できるのか。
ラディカ・デサイ:これは非常に興味深い点だと思うし、私もずっと考えていたことだ。この問題に関して、世界はすぐに二分されるだろう。中国が必要とするものを中国に販売する能力を持つ地域――主に主要なエネルギー供給国だ――は、もちろん、誰もが中国からあらゆるものを購入したいと考えている。つまり、中国と比較的均衡のとれた貿易関係を築ける国々は繁栄するだろう。彼らは成功し、繁栄すると思う。
しかし、他の多くの国々――ここで特に念頭に置いているのはインドだ。インドは言うまでもなく、我々が論じている「その他の世界」の中でも最大級の存在だが――は失敗するだろう。なぜなら、基本的にインドと中国はルピーと人民元による取引を行うことはできるが、その結果として、インドは中国から欲しいものを何でも購入できるようになるからだ。ロシアの場合と同様、インドはロシアから多くのものを購入したいと考えている。インドは中国からも大量に購入したいと考えている。しかし、中国やロシアにはインドから購入したいものがほとんどないため、不均衡が生じるだろう。これら両国は、インドに対してどれほど善意を抱いていようとも、いずれ忍耐の限界に達するはずだ。
そして、インドのように立場が弱く、中国やロシアに売るものが十分ない国々が状況を改善できる唯一の方法は、何らかの形で国家主導の開発を行うことだと私は考える。つまり、自国の生産能力を拡大し、金融セクターを投機や略奪的な融資から、生産的な投資へと方向転換させるのだ。
しかし、これらすべてを実現するには、これらの国々がこれまで進んできた方向からの大幅な転換が必要となる。インドの場合、モディ政権下では間違いなく、真逆の方向へと突き進んできた。インドは、非生産的で略奪的、投機的な資本家階級がやりたい放題できる経済を作り上げ、インド経済の残りの部分は破滅への道を突き進み、実際に破滅へと向かっているのだ。だから、今のインドは非常に弱い。
つまり、これが、世界がどのように再編成されていくかという点において、我々が注目すべきパターンの一つだと私は思う。なぜなら、もう一度言わせてもらうが、あなたに話を戻す前に、もう一つ言っておきたいことがある。先ほども言ったように、これは帝国主義の衰退における新たな章なのだ。そして、この新たな章が反映しているもう一つの点は、西側諸国と世界との関わりは常に帝国主義によって規定されてきたということだ。つまり、世界が西側のニーズに順応し、本質的には西側の要求に応えるよう仕向けてきた。そして近年、彼らは主に軍事的な手段を通じてこれを強要しようとしてきた。それは「ムチ」ばかりで「人参」がない。
中国は常に別の存在であった。あなたの指摘通り、中国は――我々も同意するように――新たな覇権国になることを望んでいない。中国が望んでいるのは、もし何かあるとすれば、おそらく、新たな多極世界の安定した中心となることだろう。そこでは、国々の間の関係がこれまでとは異なるものとなり、もはや帝国主義に基づくのではなく、相互の経済的利益に基づくものとなる。一部の国による他国への支配ではなく、すべての国の経済発展こそが主要な目標となる世界だ。これが、中国が提示する大国関係の新たなパラダイムであり、より広く国際関係の新たなパラダイムである。そして、この点において、世界秩序の重心、すなわち比重は中国の方向へと移動しつつあると考える。
マイケル・ハドソン:いまあなたは議論すべき二つの主要な要因を指摘した。インドに関して言えば、インドの問題は今述べたことに加えて、ロシアに対して貿易赤字を抱えている点だ。ロシアはこれまで受け入れてきたインド・ルピーを保有するだけの余力はあるが、追加のルピーについてはあまり活用のしようがない。インドは、その政治、貿易、武器購入、そして外交政策を、あなたが言う世界の分断の反対側にある米国、イスラエル、アラブ首長国連邦に結びつけている。
そこで、国際通貨基金(IMF)に代わるようなもの、つまり世界の多数派であるグローバル・サウス諸国間の赤字と黒字を処理する新しい国際銀行があると仮定しよう。以前、ケインズの提案した「バンコール」について議論したが、決済手段の単位が必要だ。それは通貨でも、新しい形態の通貨でもなく、おそらく金や中国通貨を含み、債権者と債務者の関係に関する何らかの新しいルールを盛り込んだ決済手段の単位である。
グローバルマジョリティの国家間の債務者と債権者の取引関係を統括するような銀行であれば、インドが米国との貿易赤字を賄い、グローバルマジョリティを攻撃するための米国製兵器を購入するためにインドに融資を行うようなことはしないだろう。そこが問題の核心であり、あなたが今言ったように、世界が分裂しつつある理由だ。もし分裂すれば、世界経済のこれら二つの部分は、現在進行中の米国や欧州による悪行からグローバルマジョリティを守るために相互に隔離されることになる。そして、その悪行にインドもかなり加担してきた。
あなたが触れた第二の点、トランプの中国訪問の際、我々が議論しなかったことだが、これはトランプだけの問題ではない。彼は銀行家を含む米国政府高官を飛行機一杯に載せて中国に連れて行った。そしてトランプは到着前にこう言った。「我々は銀行家たちを連れてくる。彼らには我々の信用が必要だ」と。何だ? 彼らはもっとドルが必要なのか? 彼らはドルで溢れかえっていないのか? 彼らはドル口座を全く増やしていないではないか。中国の外貨準備は増加しているが、ドルを手放したわけではない。政府の勘定における米ドルの残高は、かなり安定した水準を維持している。しかし、その増加分はすべて金や外貨という形で占められている。一体、中国にやってくる米国の銀行家や金融業者に、中国に何の必要性があるというのか?もし彼らがこう言うなら:
「ほら、我々は成長が見込めるあなたの国の企業に融資し、その後その企業を買収する。そして我々の議決権を使って、利益を新たな研究開発に再投資するのではなく、配当として支払わせ、自社株買いを行わせて株価を吊り上げるように仕向ける。それが我々銀行家が金持ちになる方法だ。我々が金持ちになったのと同じ方法であなたたちも金持ちにできる。もちろん、それはあなたたちの社会主義経済の終焉を意味する。余剰資金を再投資して生活水準を向上させることもできなくなるが、少なくとも我々から借りた多くの人々は金持ちになれる。」
中国はこれに対してどう反応するだろうか?
ラディカ・デサイ:中国がそのようなことを許すはずがない。マイケル、これは実に興味深い話だ。私自身、2004年から中国を訪れていて特に2008年~2009年からは頻繁に足を運んでいる。そして言わなければならないのは、私が中国で目にした変化は驚くべきものだということだ。かつては多くの中国人、多くの知識人を含め、米国との緊密な関係といった考えに魅了されていた時期もあったが、私がこれまで話した、常識のある人々のほぼ全員が、その幻想から覚めている。
現在、中国発の、米国資本主義の弱点を理解しようとする学術研究が飛躍的に拡大している。そして、彼らはここ10年、あるいは20年かけて、米国型の金融システムが持つ絶対的な有害性についての理解を深めてきたと言えるだろう。だから、こうした米国のCEOたちが中国に行っても、たとえトランプがエアフォースワンに連れて行く側近の一員だとしても、彼らが望むものは手に入らないだろう。ご存知の通り、ボーイングの受注は確定していないとあなたも言った。いずれにせよ、500機から200機に減らされており、これはかなり大きな後退だ。しかも、それは確定していない。
さらに、ジェンセン・フアンはNvidiaの件で中国を訪れたが、私には全く理解できないことがある。3、4年前、バイデンが初めて中国への最先端チップの輸出を停止すると述べた際、中国は不満を漏らしていたが、わずか数年で中国は飛躍的な進歩を遂げ、実質的にサイバー主権を求めているのだ。彼らはAIにおける主権を望んでおり、独自のチップを開発しようとしている。したがって、彼らがジェンセン・フアンが提供しようとしているものにどれほど熱心なのかは、また全く別の問題だ。これらの点すべてにおいて、米国、つまりトランプは勝利していないと言えるだろう。
では、これからどうするのか? トランプは敗北したようだが、依然として逃げ道を探しているようだ。彼は中国から逃げ道を得られると思っていた。中国からは得られなかった。では、彼はこれからどうするつもりなのか? 私が推測するに、一つの可能性として、彼が敗北を認めるということがある。白旗を掲げて「撤退しよう」と言うのだ。しかしそれはないと私は思う。なぜなら政治的にそれを実行する余裕がトランプにはないからだ。そして、私の主張は一貫して、イランとの戦争はアメリカ体制の内部危機以外には説明できないというものだ。
それを踏まえると、少なくともこの見せかけの封鎖や、あるいはこの弱い封鎖といった状況は、少なくとも11月の選挙までは続くだろう。しかし、もしそれほど長く続くならば、世界全体、特に弱小国――長きにわたり米国の主導を受け入れ、米国の新自由主義を受け入れ、米国との軍事同盟を受け入れてきた国々――は、すべて非常に厳しい状況に直面することになるだろう。
マイケル・ハドソン:同感だ。中国がこれらすべてに対してどう動くのか気になる。習近平主席が述べたことの一つに、今回の会談で達成したい4つの目標の一つとして、特に中東や西アジアにおける「不侵略」があった。私が察するに、会談で議論されなかったか、公表されなかった点の一つは、「不侵略」とは具体的に何を意味するのかということだ。サウジアラビアにイランを攻撃させたくないのは明らかだ。両国はすでに、互いの経済を破壊し合うような事態は避けたい、共に成長したいという理由で、対立しないことに合意しようとしている。
しかし、もし米国がこの地域の軍事基地から出撃したらどうなるのか? アラブ首長国連邦が、この地域で最大の米軍基地から、イランを爆撃するための短い飛行を許可した場合、それは侵略行為となるのか?国際法上、そう、それは侵略だ。どう対処すべきか?
アラブのOPEC諸国内部において、私はUAEが長く生き残れるとは到底思えない。彼らはサウジアラビアの敵であり、中東の平和の敵であり、イランの敵でもある。彼らはあらゆる関係者を完全に苛立たせてしまった。そして米軍基地を置いていることに加え、彼らは「我々の経済は米国と完全に結びついている」と主張する。我々の経済は、ここへの米国投資、ドル投資、マネーロンダリング、仮想通貨、例えばニューヨーク大学がアブダビに独自の教育施設を設立することを許可することに基づいている。我々はコスモポリタンだ。つまり、お前たちには反対だ。我々は米国のコスモポリタンの一部であり、お前たちには反対なのだ」。これは注目すべき興味深い点の一つだ。
ラディカ・デサイ:そろそろ締めくくろう。これまでのところ、世界の他の地域で政権交代を推進しようとしてきたのはアメリカだと言える。しかし、私はこう推測している――今、中国やイランがそこで政権交代を推進しようとしていると言いたいわけではないが――アメリカのシステム内部の崩壊は、ある時点に達するだろう。そうなれば、一般のアメリカ人たちは――想像してみてほしい、米国はすでに危機的状況にあるのだ。
インフレは上昇しており、これは実際の品不足が確認される前からインフレが上昇しているということだ。インフレが進行しているのは、投機市場が石油や関連商品の価格を押し上げているからだ。しかし、いずれ石油の実際の供給量は減少するだろう。米国は大量の石油を生産できるとはいえ、その価格は世界価格に連動することになる。つまり、米国が石油において比較的自給自足であるという事実は、米国の消費者にとって何の利益にもならない。彼らは高騰した価格のすべてを被ることになる。
そのうえ連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレに対して歴史的に許容されてきた唯一の手段、すなわち利上げによってこれに対応するだろう。しかし、一度利上げを行えば、問題はさらに悪化する。これは西側諸国全体で起こることだ。そして当然ながら、問題が深刻化すればするほど、需要状況は低迷する。一般市民はすでに、自由裁量支出をほとんど行えない状況にある。一体どこに――たとえ米国に生産的な資本家が1人か2人いたとしても、なぜ彼らが投資すべきなのか。需要環境がこれほど悪化しているなら、彼らに投資する動機などない。
こうしたあらゆる点で、米国や西側諸国は非常に厳しい時期を迎えるだろう。最近ロンドンで、キア・スターマー政権をめぐるドラマが繰り広げられているのをすでに目にしたはずだ。同様の政府危機が他の国々にも降りかかるだろう。キア・スターマー政権の危機は、国政選挙があったからではなく、地方選挙があったために生じた。トランプの次の試練は中間選挙になるだろう。今後数ヶ月のうちに、いわば西側世界全体における既存の支配階級の政治的基盤が、かつてないほど揺さぶられるのを目撃することになるだろう。そしてこれは、経済的苦境が深刻化する中で起こるのだ。
マイケル・ハドソン:その激変こそが不況下で起こる現象だ。そしてあなたが今言ったのは、米国が原油価格を押し上げたことで引き起こされた石油危機に加え、金利も押し上げられたということだ。金利が上がると何が起こるか?第一に、不動産への住宅ローン融資は、住宅ローン業者への返済額が不動産の賃貸収入を上回ってしまうため、手頃な価格の物件は存在しない。
第二に、特に商業用不動産においては、これらの住宅ローンがすべて満期を迎え、借り換えが必要になるが、ゼロ金利政策下の低金利から、おそらく3%から、一体何%まで、6%、 6.5%——いや、今は6.5%を超えているかもしれない。これは、オフィス賃料の下落という状況下で金融危機を引き起こすだろう。そして、ある時点で、実際には支配していない支配階級を追い込むことになる。一般大衆や投資家層が、この仕組みが機能していないと気づくため、彼らはもはやその虚構を維持できなくなるのだ。
これは自滅的なジャンク経済政策だ。そして問題は、西側諸国で代替案が全く作られていないことだ。あなたは私の番組に出演しているし、わたしたちが出ている番組はどちらも――『ニューヨーク・タイムズ』や『ウォール・ストリート・ジャーナル』には載っていない。
ラディカ・デサイ:代替案を求める渇望は確かに存在していると思う。最近、若手のゾーラン・マムダニが富裕層への課税によってニューヨーク市の予算を均衡させたという記事を読んだ。マムダニにどんな欠点があるにせよ、それは正しい方向への一歩だと思う。ともあれ、そろそろ締めくくったほうがいいだろう。だが、あなたの言いたいことは理解している。つまり、我々はインフレという形の通貨危機に直面している。金融危機にも直面している。経済危機にも直面している。農業危機、産業危機にも直面している。挙げればきりがないが、これらすべてが、西側体制にとって巨大な政治危機となるだろう。
だからむしろ、他国での政権交代を推進するよりも、西側の行動――これにはウクライナにおける欧州の支配層の行動や、台湾に対する日本の支配層の行動も含まれる――そのすべての行動が、危機をさらに悪化させることになるだろう。
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