今年も8月6日、広島で原爆死没者への追悼とともに核兵器廃絶を願って記念式典が行われた。広島の秋葉市長の演説は日本政府がとっている行動に対して向けられた言葉であった。原爆投下から58年がたった今、被爆者が訴え続けて来た核兵器や戦争のない世界は遠ざかり、核不拡散条約体制は崩壊の危機にひんしている。核兵器先制使用の可能性を明言し、小型核兵器の研究を再開するなど“核兵器は神”であることを奉じる米国の核政策が最大の原因だという秋葉市長の言葉に私はまったく賛成である。式典の最前列でこれを聞いていた小泉首相は何を思っていたのであろう。
月別アーカイブ: 2003年8月
No.588 イラク市場狙う多国籍企業
前回、世界各地で民営化された水道事業がどのような状況に陥っているかを取り上げたが、政府に民営化を働きかける勢力が多国籍企業である。多国籍企業とは、親会社は一国に存在するが世界の国々を市場にビジネスをおこなう企業とここでは定義する。その多国籍企業にとって有望な市場がイラクである。
No.587 問題多い水道事業民営化
今年、日本で開催された世界水フォーラムで「官民セクターの連携を推進する」、つまりダムや上下水道事業などへの民間資金の積極的な投入を打ち出した閣僚宣言が採択された。しかしこのフォーラムでは水道事業の民営化の結果、多国籍企業の事業参入の影響により水道料金の値上げや安全な飲み水の確保ができなくなった国の事例などが分科会で発表され、非政府組織(NGO)からは閣僚宣言は多国籍企業など開発推進派の意見を盛り込んだ、かたよった内容になっているという批判もでた。
No.586 アメリカ流の法解釈
アメリカの投資会社「ローンスター」が東京国税局の税務調査を受け、日本国内の投資事業で得た利益を申告しなかったとして、一昨年までの4年間で約380億円の申告漏れを指摘されたというニュースが小さく掲載された。
No.585 犯罪を煽る娯楽産業
最近の犯罪の特徴は、低年齢化とともに弱者に向かっているということが挙げられる。心のゆがみや怒りが権力機構にではなく、家庭内暴力や虐待という形で幼児や老人、女性にその矛先が向けられている。大きくて強いものに立ち向かうのではなく、身近な弱い者を簡単に暴力の対象とすることは、私が日本に来た30年ほど前には、卑怯で許されないことだった。しかしその感覚が変わりつつある。