No.626 安保条約と日本の平和

 このOur Worldというメモを始めたのは1995年、当時は電子メールか郵送で、限られた人にのみ意見を発信していたが、いまではこのWebサイトを通して多くの方の目に触れることが可能になった。

 当初より私が興味をもった話題を多くの方々にも考えていただきたいという思いからデータを収集し、それについての自分の考えを述べるという形をとってきたが、しかし物事はたいていそんなに単純ではなく、さまざまな見方がある。そればかりか強い影響力を持つグループが自分たちに都合のよい解釈を広め、それがすでに世間に常識として浸透していることも少なくない。

続きを読む

No.625 イラクは戦場

OWNo.620で、イラクで大量破壊兵器の捜索を行ったデビッド・ケイ氏が公聴会でイラクに大量破壊兵器がなかったという証言を行ったにもかかわらず、日本政府から何の弁明もなかったことを書いた。それについてアメリカの友人が送ってくれた記事から、タカ派の国防族として知られ1990年に引退した元衆議院議員の箕輪登氏が、自衛隊のイラク派遣差し止めを求めて提訴していることを知った。

続きを読む

No.624 中東の針路は米が握る

 3月22日、イスラム抵抗運動(ハマス)の精神的指導者アハメド・ヤシン師がイスラエル軍のミサイル攻撃で殺害された。小泉首相はそれに対して「お互い自制心を持って平和的解決に向けて努力していただきたい」というコメントをしたという。そのコメントに対し虚しさを感じた数日後、パレスチナの14歳の少年が2400円で自爆テロを請け負い、爆弾を身に付けてイスラエル軍の検問所で捕まったという記事が掲載された。それはイスラエル首相府当局者の「過激派が子供を使ってテロを広げようとしている」という言葉を引用してパレスチナ側を批判する報道だった。

続きを読む

No.623 アメリカの支配化戦略

 カリブ海にハイチという国がある。面積は四国と九州の中間程度、人口約750万人で国民の95%がアフリカ系で平均寿命は52歳、失業率は約70%、そして国民の80%が貧困の中で生活している。

 2月、このハイチのジャン・ベルトラン・アリスティド大統領が中央アフリカ共和国に亡命した。地理的にも遠い中南米で起きた事件は日本ではごく小さなニュースとして扱われたに過ぎない。しかし日本が同盟国として仰ぎ崇めているアメリカが、どのような外交政策をハイチにとっているかを知ることは極めて重要なことだと思う。

続きを読む