経済に壊滅的な打撃を与えている金融危機は、何千社もの企業を倒産に追いやり、何百万人もの人々の職を奪い、国民の貯蓄を消失させると同時に、老後のために必要な年金まで奪う危険性があります。この金融危機は極めて複雑で対応に注意を要するものではありますが、間違った解釈が多いのも事実です。こうした問題はおそらく、自国の問題としてよりも、遠く離れた国の問題として捉えてみるとより客観的に冷静な判断が下せるのではないでしょうか。
そこで今回は、カナダの銀行がウォール街の海賊たちと共謀して、いかにカナダドルの価値を低下させ、政府を蝕み、経済を略奪してきたか、その経緯を書いたオタワ大学経済学部教授マイケル・チョスドフスキーの論文をお送りします。日本の状況を理解する一助となれば幸いです。