去る4月、イギリスのMGローバーが破たんし、支援先企業を得られずに6千人が失業する見込みとなった。これはイギリス最後の自動車メーカーがなくなるという郷愁的な論調で語られることが多いが、ここで起きたことはもっとも醜い資本主義の手法がとられた一例ということができるかもしれない。
月別アーカイブ: 2005年5月
No.681 国民のための政策へ行動を
日米経済摩擦が問題となっていた10年ほど前、テレビの討論番組で知り合ったのがニューヨーク市立大学の霍見芳浩教授である。私が日本、霍見氏は米国と、互いに反対の国を基盤として活動をしているが、今でも電子メールを使って有益な意見交換をさせていただいている。
No.680 石油価格高騰に備えを
4月はじめ、国際通貨基金(IMF)は世界経済報告書を発表し、今後の原油価格動向について、中国やインドにおける需要の急増から原油相場は引き続き高騰するという予測を発表した。発展途上国の生活水準の向上が原油需要を増やし、とりわけ自動車の増加が消費量を押し上げるとしている。当然ながら日本でもガソリン価格が急上昇し、「湾岸戦争以来」の高値になっている。
No.679 無知な国民に対する隠謀
民主主義国家における社会の仕組みや制度は、主権を持つ国民のために作られていると思いがちだが、実はそうではないことが多い。制度を主に決める立場にいる少数の人々は、権力だけでなく格段に多くの富を保有しており、そういう人々が作る仕組みの特徴は、大多数の人々を犠牲にしても、持てる者に有利になるようになっていることだ。