No.485 公費削減ビジネス

 今回は民営化の行き着く先ともいえる「刑務所の民営化」に関する『読売新聞』の記事をお送りします。今年5月にNHKでこの記事の内容と同様の番組が放映されたため、ご覧になった読者も多いのではないかと思いますが、実際その番組を見た私は、米国がここまでひどい国とは思っていなかったため、非常にショックを受けました。

 州政府は刑務所維持費の削減を狙って、民間刑務所に1人当たり43ドルで囚人を預けており、民間刑務所であるCCA(コレクションズ・コーポレーション・オブ・アメリカ)は、実に米国の囚人総数(約11万2,000人)の半分を面倒みているということです。米国流資本主義では、民間企業は利益拡大が基本です。受刑者1人当たり州政府から43ドルの収入を得られるなら、その数を増やして懲役期間を長くした方が利益になるため、ロビイストを使い、刑罰強化を求める政治家に献金をばらまき、官僚に天下り先を提供し、CMまで流しているということです。

 またカリフォルニアでは、刑務所関連経費が州立大学の予算を上回っているという事実にも驚かされました。是非、お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。

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No.482 米国企業とその価値基準による、またそのための政府

今回は、米国政府が、「人民による、人民のための人民統治」というリンカーンの言葉に代表される米国本来の価値観を捨て、企業の利益を代表するようになったとする、パリ在住のコラムニスト、ウィリアム・パフの記事をお送りします。是非、お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。

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No.481 沖縄でまた女性暴行事件

 今回は、『ロサンゼルス・タイムズ』紙から、6月末に起きた沖縄の女性暴行事件について、日本政策研究所の編集員シーラ・ジョンソン氏の記事をお送りします。1972年から2000年の間、ほぼ1日おきに米兵による犯罪が起きていたことになるという数字に、沖縄の問題の深刻さを改めて感じます。

 7月13日付けの『読売新聞』に、「(ベーカー新駐日大使が同紙との単独会見において)同様の事件の再発を防ぐためあらゆる努力を払うと強調した」と書かれていましたが、日本政府はこれまで何度こうした言葉を米側から聞かされてきたことでしょう。事件のたびに、「再発を防ぐ努力」という発言がなされますが、それはまったくその場限りの嘘としか聞こえません。また日本政府の対応を見ても、沖縄の問題をあたかも隣国での出来事のようにしか受け止めていないように思えます。是非、お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。

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