No.149 米国は頭がおかしい――フセイン抹殺だなんて

アナン国連事務総長の調停により、米国の対イラク武力行使はひとまず回避されたものの、米国内ではアナン事務総長がイラクに妥協したとし、この妥協が米国の威信を貶めるものであると、今回の調停に批判的な立場をとる人も多いようです。クリントンが中東に送った米国兵力が何も行動せずに帰ってくることになれば、クリントンは自分の判断が間違っていたことを認めなければなりません。ですからクリントンが自分の行動を正当化するために、武力行使に出る可能性はまだまだ残っているのではないかと私は見ています。  そこで再度、『東京万華鏡』(ジャーナリストである高野孟氏が刊行しているインターネット上のオンライン週刊誌)より、米国の対イラク政策に関する記事をお送りします。この記事の中で、著者、高野孟氏は「米国は世界のどの国についても、自分が好まない指導者を爆撃したり抹殺する権利は持っていないし、自分が好むような政権を作る権利も持っていない。……唯一超大国への過信が、自分の基準を世界に押しつけて当たり前だと思いこむ米国の傲慢を極点にまで押し上げているのではないか」と述べています。是非お読み下さい。

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No.147 イラクへの武力攻撃に反対する!

 「ならず者国家」「悪の帝国」などと他の国につけたレッテルが正しいことを証明しようとするかのように、またもや米国は非白人の小さな国に残酷な攻撃を仕掛けようとしています。イラクが大量破壊兵器を生産・保有しているという偽善的な主張を盾に、核兵器の使用もちらつかせながら空爆を開始するとイラクを威嚇しているのです。その一方で、同様の武器を保有する中東のお得意様であるイスラエルに対しては、米国がこれまで一度もそうした威嚇や攻撃を加えたことがなかったことを忘れてはなりません。  米国は、これまで生物・化学兵器あるいは核兵器の査察を装いながらそれを長引かせ、丸7年にわたりイラク国民をひどい経済制裁で苦しめてきました。そして今、こうした兵器をイラクが保有しているという確固たる証拠が見つからないまま、その「疑い」を口実にイラクに狂気の空爆を開始すると脅しているのです。同じ大量破壊兵器を保有することが周知の事実であるイスラエルに対しては武力行使をまったく行わないという矛盾する政策を、米国はどう正当化するのでしょうか。イスラエルは白人の国であり、米国内に富裕で強力なロビー団体を抱えているのに対し、イラクは非白人の国であり、ロビー活動が弱いことが理由なのでしょうか。  現在、こうした不条理なテロリスト的な活動を支持している国は、イスラエル以外では1国を除きすべてがアングロサクソン系の白人の国であるイギリス、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドです。そしていつも通り、日本を米国植民地として統治する霞ヶ関の米国の家臣達は、好戦的な米国に支持を示しています。  ただし、多くの日本の一般国民や団体は米国の残酷な対イラク攻撃に反対を唱えていることも事実です。以下は、ジャーナリストである高野孟氏が刊行しているインターネット上のオンライン週刊誌、「東京万華鏡」(株式会社ウェブキャスター運営)に掲載されていた、日本の56の平和団体と7人の個人がアメリカ大使館に手渡した申し入れ文です。ここに書かれてあることすべてに私は同意します。是非お読みください。

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No.144 沖縄普天間返還に関する読売社説について

2月8日に名護市長選を控え、それに関連して『読売新聞』が“「普天間」返還はやはり必要だ”と題する社説を掲載しました(98年2月1日付)。これに対して日本政策研究所所長のチャルマーズ・ジョンソン氏は、日本の民主主義は虚構でしかないとする鋭い指摘をしています。普天間基地返還には代替ヘリポートの建設が不可欠だとする『読売新聞』の社説は、沖縄県内への基地移設を当然視していますが、それ以前に、沖縄に駐留する海兵隊の存在自体を問いただすべきではないかというのがジョンソン氏の主張です。住民投票の結果をないものとし、名護市民を犠牲にしようとしている日本は本当に民主主義国家なのでしょうか。

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