No.363 富裕者の減税分を消費税増税で補う

金持ちや裕福な企業からの政治献金に報いるために、所得税、法人税、相続税などの減税を行った政府自民党は、その減税分を補うために、一般国民が所得の大半を消費に充てているにもかかわらず、消費税を現在の5%から10%に引き上げることを考えています。

 これを回避するためには、選挙での投票率を限りなく100%に近づけるしかないと私は考えています。国民の大半が選挙で投票するようになれば、富裕者の政治献金ではなく、投票によって選挙結果が左右されるようになり、政治家は自分達を金の力で当選させてくれる人々ではなく、投票によって当選させてくれる一般国民に便宜を図ろうとするはずです。

 この記事をニューヨーク在住のエコノミスト、マイケル・ハドソンに送ったところ、彼も同意見だとのコメントを送ってくれました。さらに、GNPが減少し続ける中で日本政府が、数年前に日本を不況に追い込んだ時とまるで同じ政策をとろうとしているのは、まったく信じられないといっています。「日本の大蔵省や日銀の担当者はすべてマネタリストのようだ。問題が発生するたびに、富裕者が十分に潤っていないがために問題が発生していると考え、彼らをさらに富ませようとしている」というのが、この記事に対する彼の見方でした。是非、お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。

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No.362 米国の金融改革法成立に見る金権政治

今回は、米国の金権政治についての記事をお送りします。米国の金融業界および健康管理業界が巨額の政治献金を行い、それぞれの利益を優先するよう議員に働きかけたという事実が、政治献金額とともに以下の記事に書かれています。

 前半部分にある昨年11月に成立した金融改革法案は、金融恐慌時代から銀行、証券、保険の兼業を禁止してきたグラス・スティーガル法の規定を60年ぶりに廃止するというものです。日本に金融改革をあれほどまでに強く求めてきた米国は、自国では銀行や証券業界の兼業を禁じるグラス・スティーガル法をごく最近まで維持していたという事実に改めて驚くと同時に、これによって米金融業界では再び巨大合併が加速することになるため、日本への影響もさらに強まるのではないかと懸念しています。米国の金融業界は、こうして米国の政治家を買収することにより自国内の規制緩和を求めると同時に、米国政府による日本政府への圧力を通じて米企業の利益を優先させようと、日本市場の開放と規制緩和を求めていることは周知の通りです。今後、その圧力はさらに強まることが予想されます。

 私は、こうした金権政治は簡単に解決できると信じています。賄賂にあたる政治献金を企業や個人が支払いたいと考えたり、また政治家がそれを受け取りたいと考えないよう、企業や個人の所得、相続に対して累進性の高い関税をかければよいのです。是非、お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。

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No.361 貿易黒字と外貨準備高の関係に見る日本の対米隷属

ニューヨーク在住のエコノミスト、マイケル・ハドソンは常々、日本の貿易黒字のほとんどが米財務省証券(米国債)の形で米国に還流されていることから、日本と米国は奴隷と主人の関係にあると指摘してきました。

ハドソンの主張を再確認するために、今回は、日本の対世界および対米貿易黒字と外貨準備高(このほとんどが米国に融資されている)の時系列データを用意し、同氏に再度意見を求めました。

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No.360 「日本人を幸せにする企業経営とは」に対するご意見と私のコメント(2)

No.353、354で、私の経営理念として「日本人を幸せにする企業経営とは」をお送りしました。今回は、弊社が主催した『新春の集い』における同じテーマの私の講演をお聞きになったお客様からお寄せいただいたご意見やご質問に対する私の回答をお送りします。

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No.359 なくなることのない米国の金権政治

今回は『インターナショナル・ヘラルド・トリビューン』紙より、米国の今日の状況に酷似した時代として、米国資本主義の勃興期であった19世紀末を描いた記事をお送りします。筆者は、19世紀末には農民や労働者の反乱が起きたのに対し、現在の米国には現状を変えようとする市民の動きは見られないと述べ、それは制限のない選挙資金が支える米国の金権政治に抑えつけられているからだとしています。是非、お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。

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No.358 米国好景気の虚構

2月12日付け『日本経済新聞』は、91年4月から始まった米国の景気拡大が2000年2月で107ヵ月目に入り、60年代の景気拡大期を抜き、現行統計で遡れる1854年以来で最長になったと報じました。また、失業率が最低に、財政赤字は黒字に転じたなど、米国経済の好況ぶりを伝える記事は跡を絶ちません。

 しかし、日本の新聞やテレビが報じる米国に関する情報は、米国の実態を正しく映し出したものなのでしょうか。株価や失業率など表面的な数字にとらわれた日本の報道には、グローバル化や規制緩和さらには企業のリストラなど米国が一部の富裕者をさらに富ませるために採用している政策を、日本国民にも受け入れさせようという意図があからさまに表れていると私には思えてなりません。スポンサーである大企業や政府与党の政策を後押ししてのことでしょう。

 ここでは、日本の報道に見られるそうした偏りを是正するために、主に米国の情報源から拾った米国の実態を映し出す情報をお届けしたいと思います。読者には、こうした情報を通じて、日本政府や大企業が目指している世界がどのようなものかを、客観的に判断していただければと思います。皆様からのご意見をお待ちしております。

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No.357 大統領選挙資金

米国の大統領選挙も11月の本選挙に向かい、いよいよ本格化してきました。以下の記事を読んで、民主政治と金権政治の違い、さらには米国が民主主義国家なのか、金権主義国家なのかを是非考えていただきたいと思います。皆様からのご意見をお待ちしております。

 【 この記事は、2月16日に報道されたものです。

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No.356 ルーズベルトと真珠湾攻撃に関する真実

今回は、昨年出版されたロバート・B・スティネット著、『Day of Deceit』(フリープレス刊)の書評をお送りします。本書は真珠湾攻撃について、当時の米大統領フランクリン・D・ルーズベルトがそれを事前に知っていただけでなく、最初に日本が米国を攻撃するよう仕向けたのは大統領自身とその側近達であったと、機密扱いを解かれた国家安全保障公文書からの引用やその他の証拠をもとに立証しています。以下に本書の概要を紹介した書評をお送りしますので、是非お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。

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