No.143 ビッグバンが日本へもたらす影響

為替相場に与える影響力の強さから「Mr. Yen」の異名をとる、大蔵省財務官、榊原英資氏へのインタビュー記事が、『フォーブズ』誌(英語版、9/22/97)に掲載されました。近く予定されている日本版ビッグバンは、この榊原氏が考案したものであると言われています。この記事の冒頭には、「ビッグバンが成功すれば、レーガンが現在の力強い米国経済の下地を築いたのと同様に、日本経済を不況から救うことができるかもしれない」と書かれています。ビッグバンは日本を本当に不況から救うことができるのでしょうか。私はそれを非常に疑問視しています。

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No.142 日中米を信頼のトライアングルに

ここのところ金融危機やビックバンで人々の関心は経済や金融のニュースに傾いていますが、昨年後半このシリーズでも集中的に取り上げ、また拙著『アメリカは日本を世界の孤児にする』のテーマにもなった日米ガイドラインの話はどこに消えてしまったのでしょうか。私は、国民が知らないうちにこれが事実上の軍事同盟になるのではないかと恐れています。そこで今週は、日本政策研究所長であるチャルマーズ・ジョンソン氏の日中米、三国間関係に関する論文をお送りします。日本のマスコミはとかく日米という二国に目を奪われがちですが、ジョンソン氏は中国を含めた三国関係から日本の立場を検討しています。日米同盟関係の「正常化」に向けて、日本が日米両国の国益に見合ったイニシアチブをとらなければ、日本はさらに中国封じ込めの悪循環に巻き込まれると警告しています。是非お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。

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No.141 世界規模の金融危機

昨年夏以来、アジアに通貨危機が襲い、これまで奇跡的な経済発展を続けてきたアジア諸国は軒並み海外投機家の餌食にされています。株や為替取引を行わない一般市民にとっては株式や為替の専門用語を使ったニュース解説は理解しにくいものですが、カナダ在住のエコノミスト、チョスドフスキーの書いた以下の記事は、今回の金融危機を経済・社会全体から包括的に捉えており、素人にもわかりやすく書かれています。ビッグバンを直前に控えた日本の読者は、こうした状況が日本でさらに加速化することを本当に望んでいるのかどうかを、この記事を熟読した上で再考していただきたいと思います。皆様からのご意見をお待ちしております。

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No.140 唐津一 氏 ご講演

新年明けましておめでとうございます。本年も昨年同様よろしくお願い申し上げます。今年最初のメモとして、東海大学教授の唐津一氏によるご講演をご紹介いたします。とかく暗い話題が多く、”激動の時代”といわれているこの現代において、決して悲観的な見方で物事を捉えていらっしゃらない唐津氏のご講演「大転回の時代」は、我々にとって一筋の光明となるのではないでしょうか。

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