No.290 あなたの電話は聞かれているかもしれない

 これまで違法な形の盗聴しかできなかった検察や警 察など捜査機関に対し、日本でも盗聴を合法化するための通信傍受法案が衆院を通過しました。かたやオーストラリアでは、政府が国家レベルで通信を傍受していることを公表しました。米国主導の「新世界秩序」の従属国とし てのオーストラリアの現状を見るにつけ、米英の戦略と、そこで日本がどのような役割を果たしているかも垣間見 ることができると思います。是非、お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。

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No.289 歴史に見る売上税および消費税による政権失脚

 以下は、私の友人で、カリフォルニア州立大学リ バーサイド校経済学部教授のメイソン・ガフニーが集めた資料です。ここには、消費税支持の立場をとった結果、 有権者あるいはそれ以外の人々によって政権を追われた指導者が列挙されています。日本でも、自民党政府が密か に消費税のさらなる増税を画策していますが、日本の政治家は以下のような歴史的事実から教訓を学ぶべきであ り、また同時に政府が再度消費税を増税しようとするなら、国民はどのような態度をとるべきかわかるはずです。

是非、お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。

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No.288 米国がユーゴを空爆する本当の理由

コソボでの民族紛争をめぐるNATOとユーゴの武力対決は、6月10日にユーゴ軍の撤退の確認をもって収束に向かうことになりました。ここでもう一度、NATOがユーゴを空爆した本当の理由が何であったのかを確認すると同時に、今後のコソボの行方を分析するために、以下に2つの記事をお送りします。是非、お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。

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No.287 貧富の差のない社会を築くために

私の現在の考えを、以下のような小論にまとめました。その感想として、ニューヨーク在住のエコノミストで友人のマイケル・ハドソンからは「聖書の真髄は、社会の二極化を防ぐことにあった」というコメントが返ってきました。一度社会が二極化してしまえば、それは環境汚染と同じで、そこから発生する問題を克服するためには膨大なコストがかかるというのです。ニューヨークで暮らす彼は、私がこのOur Worldを通して皆さんに示しているアメリカ社会の現実を、日々目の当たりにしています。彼は、貧困に端を発した無教養で反社会的な下層階級が作り出されていることでアメリカ社会全体に巨額の負担がかかっているのに対し、平等な社会を築くことを目指してきた日本ではそうした富の集中化に伴う汚染浄化費用がかからない、と指摘しています。

 また、カリフォルニア州立大学リバーサイド校経済学部教授、メイソン・ガフニーからは、所得や富の分配は正規曲線に見られるような通常の分配では説明がつかず、指数関数的な格差が生じているとする指摘が返ってきました。私の意見に同意して、富の格差は能力の差に起因する物ではないとし、各人の能力は人の努力によって培われる部分が大きいが、財産は相続によって受け継がれるため、人が持つ財産は生まれながらにして不平等であるとも述べていました。

 日本人の読者の方々は、私の小論にどのような感想をお持ちになられるでしょうか。皆様からのご意見をお待ちしております。

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No.286 崩壊したユーゴスラビアと植民地ボスニア(後編)

 今回は前回に引き続き、オタワ大学教授ミシェル・チョスドフスキーが、1995年のボスニア和平合意(デイトン合意)の直後に書いた論文をお送りします。1980年代末以降、外国人債権者はNATOの軍事・諜報活動と合わせ、ユーゴスラビアに対して厳しいマクロ経済改革を課しました。現在NATOの空爆で問題になっているコソボの運命はその時からすでに決まっていたとチョスドフスキーは述べています。

 IMFの有害な経済の処方箋が投与された時から、ユーゴスラビア経済全体は破滅に向かい始めたのです。経済改革はコソボのアルバニア人とセルビア人を共に貧困化させ、それが民族間の緊張を高めました。市場の力の意図的な操作が、経済活動や市民生活を崩壊させ、絶望的な社会状況を生み出したのです。是非、お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。

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No.285 崩壊したユーゴスラビアと植民地ボスニア(前編)

 今回と次回はオタワ大学教授ミシェル・チョスドフスキーが、1995年のボスニア和平合意(デイトン合意)の直後に書いた論文を前編と後編に分けてお送りします。1980年代末以降、外国人債権者はNATOの軍事・諜報活動と合わせ、ユーゴスラビアに対して厳しいマクロ経済改革を課しました。現在NATOの空爆で問題になっているコソボの運命はその時からすでに決まっていたとチョスドフスキーは述べています。

 IMFの有害な経済の処方箋が投与された時から、ユーゴスラビア経済全体は破滅に向かい始めたのです。経済改革はコソボのアルバニア人とセルビア人を共に貧困化させ、それが民族間の緊張を高めました。市場の力の意図的な操作が、経済活動や市民生活を崩壊させ、絶望的な社会状況を生み出したのです。是非、お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。

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No.284 日本株の買収を狙う米国の戦略

 新しい企業会計基準が2000年度から導入され、企業年金の積立不足額が開示されることなどに伴い、日本政府は企業年金の積立不足解消と企業の持ち合い株式解消の一石二鳥の効果を狙って、企業年金に母体企業が現金だけでなく株式などの有価証券現物も拠出できるよう規制緩和を行いました。また金融機関に対しても、持ち合い株式の売却により流動性を高めることが提案されています。

 ニューヨークのエコノミスト、マイケル・ハドソンは、この持ち合い株式の解消が日本に及ぼす影響を分析し、外資系企業が日本企業を買収できるよう、日本の貯蓄を使って米国に融資を行うことと同じだと結論づけています。是非、お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。

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No.283 YESと言える日本

 半導体の日米貿易交渉に携わり、その時の体験を『日米逆転』に綴ったクライド・プレストウィッツが、7年間におよぶ不況と金融破綻の結果、日本がようやく変化し始めたと『ファイナンシャルタイムズ』紙の社説に記しています。かつて日本の成功は日本独自の経営手法や日本人の特異性にあると論じられてきましたが、日本も景気が悪くなれば外資に自社株を売るし、市場も開放する。こうした状況こそ日本にとっても、世界にとっても良いことであると、プレストウィッツは結んでいます。

 プレストウィッツの主張は正しいのでしょうか。このOur Worldでは、ニューヨークのエコノミスト、マイケル・ハドソンの論文などで示したように、日本が今のような状況に追い込まれたのは、1985年のプラザ合意以降、日本が米国主導の金融政策に従ってきたためであると主張してきました。日本がビッグバンや規制緩和と称して行っていることが、実は、バブル崩壊後底値になった日本の株や不動産を米国企業に差し出すためのお膳立てに過ぎないことに、日本国民は一日も早く気づくべきだと私は考えます。以下のプレストウィッツの主張は、今の日本が海外からどう捉えられているかを、端的に表していると思います。是非、お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。

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No.282 世界唯一の超大国、その耐えられない傲慢さ

 今回はイギリスの『インディペンデント』紙から、米国の外交政策がいかに理不尽で傲慢なものかを示す記事を取り上げます。ヨーロッパと米国の間では1995年以来、バナナ戦争が繰り広げられています。「バナナ戦争」は、EUがアフリカやカリブ海の旧植民地諸国からの輸入バナナに特恵関税を適用して優遇していることに対して、それ以外の中南米諸国に自国資本のバナナ農園があるアメリカが「WTO協定違反だ」と提訴したことから始まったものです。米国は1954年にCIAを使ってグアテマラにガズマン政権を樹立させ、ユナイテッド・フルーツ(チキータ・バナナの前身)が所有している土地をグアテマラから接収しました。無理矢理接収した土地にある、こうした米国資本のバナナ農園からのヨーロッパ向け輸出は米国の輸出と見なされているといいます。米国はハンドバッグやコーヒーメーカー、入浴剤、まくらカバー、シーツ類、リトグラフ、電池、紙類など関税分類上の9品目に対して、3月3日にさかのぼって100%の関税を課すことを決定しました。

 米国の横暴ぶりは貿易問題に限ったことではありません。以下、是非お読み下さい。皆様からのご意見をお待ちしております。

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