2008年第4四半期の実質GDPは年率12.7%減と大幅なマイナスになった。雇用者報酬の減少以上に個人消費が減ったのは雇用への不安と、もう一つは政府の政策への不信からだろう。しかしもし、日本のリーダーたちが知恵と意志と強さを持って、今私が述べた提案を実行すれば、すぐにでもカジノ経済がもたらした破壊的な危機を取り除くことができると私は信じている。日本のリーダーに、または日本の国民に、そのような知恵や意志、強さがあるだろうか。
月別アーカイブ: 2009年2月
No.860 【講演録】私が考えるカジノ経済の弊害(3)
古典的なテキストである『熱狂、恐慌、崩壊』(1978年)で、著者のチャールズ・キンドルバーガーは、規制のない金融制度という文脈において、金融危機を「何度も蘇る多年草」と呼んでいる。 キンドルバーガーは、1725年以降、西欧資本主義経済において平均で約8年半ごとに金融危機が起きていると書いている ※28。
No.859 【講演録】私が考えるカジノ経済の弊害(2)
もう1つの大きな問題がある。それは日本がアメリカに巨額の貸し付け、それもドル建てでお金を貸していることだ。つまり、為替リスクはすべて日本が負わなければならない。
No.858 【講演録】私が考えるカジノ経済の弊害(1)
今年も、新年にあたってお客様に向けて、私が日頃から考えていることをお話しさせていただいた。
No.857 資本家と労働者の間の溝
2009年は非正規雇用労働者の話題で始まった。12月31日から1月5日まで、東京の日比谷公園に、派遣先から契約を解雇され、寮などの住居を失った人々のために複数のNPOや労働組合が組織した実行委員会によって避難所が作られ、1月2日からは実行委員会の要請で厚生労働省が1月5日まで講堂を宿泊所として提供したのだった。
No.856 米国流は日本に損ばかり
オバマに期待できない
オバマ大統領が誕生した。わが国の左派勢力の中にも新大統領への期待が見られる。オバマは当面、景気
回復のために膨大な財政出動などの対策を打つだろうが、それはされに大きな危機を招くであろうし、わが国
への要求も強まるであろう。
No.855 オバマ変革は不透明
昨年秋、金融危機に直面したアメリカではブッシュ政権が70兆円というお金を不良資産救済プログラムに投入したことは記憶に新しいだろう。その時受けた週刊誌の取材でも、私は公的資金を入れても金融機関の破綻は続き、政府は有権者が怒るまで、新たな資金を投入し続けるだろうと答えたが、アメリカでは徐々に国民の怒りが醸成されつつある。