1760年以前のイギリスでは、ほとんどの人は農村に住み、生まれてから死ぬまで自分の村より遠くへ出かけることなく、彼らが生産するものは自給のためのものであり、経済活動はおもに規制と慣習によって行われていた。これを一変したのがエネルギー革命による技術の発達だった。イギリスで始まり世界に波及したエネルギー革命で、大量生産による商品流通が可能となり市場競争が経済活動を支配するようになった。この資本主義はきわめてアングロサクソン的、つまり狩猟民族的な考え方であり、その前提には永遠に狩猟対象が必要だ。しかし資源には限りがある。先進国でそれに気づいて行動に移せる国があるとしたら、それは日本ではないかと私は思う。そしてそのためには、戦後アメリカから洗脳を受ける前の日本人に戻ることが必要だろう。
月別アーカイブ: 2003年2月
No.561 誰のためのインフレ待望論
長引くデフレのために相変わらずきかれる「インフレ・ターゲット論」。しかし日銀が期待インフレ率を自由にコントロールできるのであれば、バブルも起こらなかっただろうし、バブル崩壊も避けられ、またこれだけ長期にわたる景気低迷にもなりえなかったはずだ。では、なぜいま、インフレターゲットか。その理由を考えてみたい。
No.560 技術は文明に何をもたらしたか
「新春の集い」では、「技術は文明に何をもたらしたか」をテーマに話を聞いていただいた。本稿はそれをまとめたものである。
昨年、一昨年とITをテーマにしたが、ITだけにとらわれると重要なことが見えなくなるとの危惧を感じた。そこで今年は広く技術全般について考え、さらに世界に目を向けてみた。すると、そこには近未来小説と見紛うばかりの状況が繰り広げられていた。人間が技術を人間の幸福のために使い、発展させていくには、やはり人間の知恵と努力より他にない。その第一歩として、まず、現状の把握と認識から行いたいと思う。
No.559 自動車のための戦争
アメリカを石油のために戦争に駆り立てているのは、兵器産業だけではない。自動車産業もまたその強力なサポーターである。自動車社会アメリカは、いまこそ方向転換をしなければいけない、アメリカだけでなく、世界のために。