ヨーロッパとアメリカの間で、遺伝子組替作物に関する熱い討論が繰り広げられている。遺伝子組替作物を絶賛するアメリカに対しヨーロッパ諸国は、この遺伝子操作によって生まれた食品は本当に安全なのかどうか証拠を求めている。最近の討論でブッシュ大統領は、ヨーロッパ諸国が遺伝子組替作物に対し停止猶予(モラトリアム)を行うことは、アフリカでの飢餓問題を助長することだと発言した。しかしヨーロッパの評論家は、ブッシュ大統領の発言は世界的飢餓を解消するよりかはバイオ技術事業を推進するようなもの、と批判した。
月別アーカイブ: 2003年6月
No.579 資産家優遇の米の減税
富裕層や大企業だけに恩恵を与える減税を行い、その一方で低所得者、失業者、零細・中小企業、一般消費者は増税し、社会保険料は値上げ、給付金は厳しい改正が行われるなど福祉の削減が進んでいる。これは日本だけで起きていることではなく、もちろんお手本がある。日本政府が常に師と仰ぐ国アメリカだ。
No.578 現政策では国が壊れる
私がいつも読む新聞は、日本で一番発行部数が多いという全国紙の英語版である。それは主義主張に賛同するからではなく、多くの日本人が日常的にどのような情報を得ているかを知るためであり、プロパガンダが多いと知った上で、その新聞を読んでおけば日本政府の方針も将来的な計画も想像がつくからだ。5月末、興味深い2つの記事が掲載された。
No.577 イラク攻撃で遠のく平和
国連安全保障理事会が対イラク経済制裁解除決議を採択し、国連中心の復興を主張してきたフランス、ドイツ、ロシアなどは修正を受けて妥協し、アメリカ、イギリスの占領下でイラク復興が進められている。しかし武装集団による米軍への攻撃は続くなど、平和には程遠いのが現状である。
そんな中で、経済制裁解除決議で決まった「イラク開発基金」の口座がアメリカ連邦準備制度理事会が管轄するニューヨーク連邦準備銀行に開設され、すでに10億ドルが振り込まれているという。イラクの石油を売却した資金を、実質米国が管理する体制が着々と進んでいる。