今月半ば、115円10銭まで進んだ円高に対して財務省・日銀が今年最大規模の円売り・ドル買い介入を行い、円は一時117円台までもどした。(29日には米金融当局がドル安を肯定しているとの見方からドル売り・ユーロ買いが優勢になり、円も対ドルで反発し118円になっている)日本政府は世界最大の債務国家アメリカのドルを必死に支えている。しかしこれは日本政府の財政をさらに悪化させることとなる。なぜならいずれドルの一極体制は終焉を迎えるからだ。
月別アーカイブ: 2003年5月
No.575 「時価会計」は撤回すべき
これまでの日本基準では企業経営の実態が正しく反映されないために、グローバルスタンダードへ移行をということで導入された「時価会計」だが、それを停止しようという声が自民党の中からでている。小泉首相はそれに対して「問題の先送り」「奇策」とコメントしたというが、本当にそうなのだろか。
No.574 アメリカの政策と国益
ニューヨークタイムズ紙に、オレゴンの高校が年間の授業日数を十七日短縮し、もうすぐ夏休みに入るという記事が掲載された。理由はオレゴン州の教育予算がないためだという。授業日数の短縮だけでなく、同学校区ではプログラムの削減、職員の解雇、学校の年間行事を減らすといった措置もとるという。富裕層を減税し、軍事費を増大し、その結果のしわよせが教育費削減となっている。
No.573 金持ち優遇税制で景気悪化
日本経済は日々悪化しているが、イラクや新型肺炎その他の報道に押されてか、国の経済政策について詳細報道があまり見られない。タマちゃんの目にささったつりばりだとか、白装束集団がどこにいくのかといったことばかりが繰り返し報道されると、意図的に国民に知らせないようにしているのではないかとさえ思ってしまう。
No.572 アングロサクソンは人間を不幸にする
2000年9月、私は「アングロサクソンは人間を不幸にする」という本を出版した(今年2月にPHP文庫版が刊行された)。本ではアングロサクソン(英米人)が作りあげた資本主義という経済システムを日本がやみくもに取り入れていることに対して、戦後、市場経済を標ぼうしながらも独自の経済システムを発展させ、その中で利益を大多数の国民に分配し、皆で共に豊かになる社会を築いてきた日本には合わない、国民が不幸になるだけだという内容のことを書き記した。そしてアングロサクソン流資本主義の申し子、アメリカ400年の歴史の中で、アメリカ国民にどのような「不幸」が積み重ねられてきたのかも検証した。
今、アングロサクソン、すなわち米英軍がイラクに行った軍事行動を目にして、アングロサクソンは人間を不幸にするというフレーズが私の中に再び沸き上がっている。